2019 Fiscal Year Research-status Report
Problems of Democratic Consolidation in the American Deep South, 1976-1980
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18K12717
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
平松 彩子 南山大学, 外国語学部, 講師 (00803884)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 1965年投票権法 / 南部民主党 / 全国民主党委員会 / 大統領候補指名過程 / 民主化と全国統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年6月に中断した研究を2019年8月1日に再開した。2019年度内には、Atlanta Constitution Journal, Montgomery Advertiser, The Stateといった深南部州の地元新聞の電子データベースを利用し、1965年から1972年にかけての州民主党規則と州の選挙法に関する改革に対する推進派と反対派について明らかにした。この調査により、全国民主党委員会が主導した大統領候補指名過程の改革が、深南部州の政治エリートの間で積極的に受容、推進された場合と、渋々ながら黙認されたり、改革実施をしなかった、あるいはあからさまに改革実施に反対した場合などがあったことが明らかになり、一つの州の中でも地域によって事情が異なったことがわかった。これにより州民主党の制度改革実施の過程についてより詳しい背景が理解できた。 以上の研究内容をもとに、英語図書原稿の加筆、修正を行い、出版企画書を作成した。今後、さらに原稿の加筆と遂行を行なうことを計画している。 このほか、アメリカ政治における「人種とエスニシティー」争点についての章を、一般の読者を対象とした教科書の一部として出版した。これは1960年代の南部州政治のみに焦点を絞ったものではないが、学校教育での積極的差別是正措置(アファーマティブアクション)や、刑務所収容人口の構成、黒人社会運動など、「若手研究」で研究対象としている現象のこんにちまでに至る帰結を論じているものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新聞電子データベースのアクセス権を購入できたことにより、アメリカの公文書館や議会図書館へ行かずして、日本から新聞記事の調査を格段に効率よく進められるようになった。調査に関しては電子化の恩恵を受けられていることを評価できる。一方研究成果公表のための原稿執筆に関しては、教育業務が休みに入る期間にのみ集中的に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
年度末から生じた新型コロナウイルスの流行により、アメリカへ資料調査に行くことがいつ再開できるか見通しが立たない状況にあることが不安要素ではあるが、すでに収集済みの資料や、電子データでアクセスできるものを活用して、今後は出版原稿として仕上げること、また出版計画を進めるための準備に精力を注ぎたい。特に、原稿の加筆修正、推敲のため、休暇期間中だけでなく、教育行政等の業務がある期間にも日常的に時間を割けるように工夫する必要がある。
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Causes of Carryover |
研究者個人の事情により、2019年度の研究期間が8月1日から年度末までとなり、研究実施期間が実質的には7ヶ月間であったこと、また3月下旬に計画していたアメリカ合衆国での資料調査を新型コロナウイルスの流行に伴い中止したため、主に旅費の余剰が生じたことが主な理由である。研究事業を当初の計画から一年間延期することにより、この間に調査や学会報告を行い、研究予算を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)