2018 Fiscal Year Research-status Report
The decisive factor of a nation's intervention in the labor market: The case of Clinton administration on policies accepting foreign highly skilled workers
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18K12718
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
手塚 沙織 南山大学, 外国語学部, 講師 (90780239)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 国際人口移動 / アメリカ政治 / クリントン政権 / 労働市場 / 高度人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1990年代からのIT産業を中心とする知識集約型産業の拡大による高度人材の世界的需要の増加を背景にして、高度外国人材の最多受入国アメリカにおける、1990年代の高度外国人材の受入れの緩和政策が、クリントン政権内で支持されるに至った過程を、政権内部資料を用いて検証することで、外国人受入政策による国家の労働市場への介入の決定要因を解明することである。結果的に、ITが不可欠な経済構造のグローバルな深化により巨大化するIT産業と国家のパワーバランスの観点から、この決定要因に理論的検討を加える。 具体的課題は次の3点である。(1)高度外国人材の受入れに対するクリントン政権内の認識と政権内部の交渉過程、 (2)高度外国人材の受入れに対するクリントン政権と利害関係者間の交渉過程、(3)IT企業と国家のパワーバランスから検討する国家の労働市場への介入決定要因。それぞれの課題に対する調査分析を年度ごとに進めることにしていたため、初年度は(1)の課題を明らかにするため、クリントン大統領図書館にて、膨大な内部資料の閲覧及び入手を行った。資料整理と分析は順調に行えたが、これらの資料を当時の経済状況のデータと議会資料を合わせてまで分析することまでは、時間的に難しかった。しかしながら、政権内部の資料を最大限利用する形で、政権内の認識と政権内部の交渉過程に関する論文は執筆中である。そのため、翌年度への研究準備期間としては、上出来だったと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、夏季に1ヶ月程の中期滞在を行い、現地で資料閲覧及び取得ができた。翌年度以降に、これらの膨大な資料を整理し、分析し、申請者のこれまでの研究を含めた既存の研究の中で位置付け、発展させるための十分な準備となった。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度は、計画通り、資料の分析、それに基づくインタビュー調査と資料収集、それらを申請者のこれまでの研究を発展させる形で研究報告する。
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Causes of Carryover |
調査海外出張の旅費の費用が相場より安かったため、残額が生じた。残額は翌年度のワシントンDCでのインタビュー調査と資料収集のための調査出張に充当する。
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