2022 Fiscal Year Research-status Report
The decisive factor of a nation's intervention in the labor market: The case of Clinton administration on policies accepting foreign highly skilled workers
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18K12718
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
手塚 沙織 南山大学, 外国語学部, 講師 (90780239)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アメリカ政治 / 移民政策 / 外国人労働者 / 高度人材 / 高度外国人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国家がどのような根拠と基準により、外国人労働者の受入れを決めるのかという外国人労働政策による国家の労働市場への介入の決定要因を実証的に分析することを目的とした。最適な事例として取り上げたのは、高度人材の最多受入国のアメリカのクリントン政権期の高度人材の受入れ拡大法案をめぐる政権内部のアクター間の調整プロセスである。 本研究の成果としての政権内部のアクター間の調整プロセスの実証分析は、本研究以前の研究で明らかにしてきた連邦議会内でのアクター間と、議会とIT企業との間、これらの利害関係者間の調整プロセスに多面的かつ包括的な視点を加えた。一政権として一枚岩で片付けられやすい政権の内部の認識の違いとその調整過程を詳細に分析できた意義は大きい。政権が労働者の需給の調整役として、新興産業の人材に関してどのような認識を持ち、何を持って「国益」として外国人労働者の受け入れを決めたのか、政権内の省庁間の調整はいかになされていくのかといったことが明らかとなった。 本研究の計画は3年間であったが、初年度の資料閲覧及び収集、その整理と初期段階的な分析から、二年度も(初年度とは異なる地域での)新たな資料閲覧及び収集の必要性が出たため、当初の予定より幅広い資料収集と体系的整理に時間がかかった。しかし、それらの資料を追加した上での系統的整理と予備的分析は有意義なものとなった。三年目の最終年度に、これらの研究成果を日本比較政治学会にて報告し(査読有り、ペーパー有り)、貴重なコメントを得た。コロナ禍もあり、最終年度は前述の国内学会報告に留まったが、延長した翌年度以降に、フィードバックを得たペーパーを英語にし、考察と分析を加え、大幅な修正と加筆を続けた。そのため、本年度に、ようやく国際学会(International Political Science Association)にて研究発表が採択され、来年度夏に発表予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィードバックを得たペーパーを英語にし、考察と分析を加え、大幅な修正と加筆を続けた。本年度に、ようやく国際学会(International Political Science Association)にて研究発表が採択され、来年度夏に発表予定。
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Strategy for Future Research Activity |
国際学会の発表から得るであろうフィードバックを反映させ、論文の加筆修正を行い、ジャーナルに投稿予定。
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Causes of Carryover |
翌年度に、国際学会にて研究報告するため。
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