2020 Fiscal Year Research-status Report
Comparative Study on Gender Differences of Decision Making and Human Capital Accumulation Related to Scholarship and Student Loan
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18K12799
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
萩原 里紗 明海大学, 経済学部, 講師 (40754362)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 世代間格差の連鎖 / 教育格差 / 所得格差 / 外国人 |
Outline of Annual Research Achievements |
奨学金受給者の中には、留学生(外国人)も含まれていることから、海外における移民の子どもと移住先の国民との教育格差に関する先行研究について、サーベイを行った。この研究により、移民第二世代は教育および労働の分野で、移住先の国民との格差に直面していることが明らかになった。その主な理由は、移民第二世代の言語スキルの乏しさのためである。移民の子どもの言語スキルは、彼ら・彼女らの両親の社会的ステータス、人的資本蓄積、子どもへの強い願望・期待と密接に関わっており、世代間格差の連鎖を断ち切ることが必要である。そのためには、若い時からの言語スキル向上のための教育が有効である。経済的理由により教育を受けられない世帯については、奨学金などの金銭的支援を行うことにより、低所得世帯へ教育機会を広げることを通じて、格差をなくしていくことが必要である。 この研究を通じて、今後の研究を行う上で、以下の点について進捗が見られた。第一に、教育格差には、両親の社会的ステータス、人的資本蓄積、子どもへの強い願望・期待が、子どもの言語スキルを通じて、間接的に影響していることから、両親からの影響をモデルに組み込む方法について、見当を付けることができた。第二に、教育と労働の両分野において、世代間格差の連鎖は根強く残っていることから、その連鎖を断ち切るためには、奨学金の場合に、どのような制度設計にすればよいかの考察を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の達成度を上記のとおり評価した理由として、以下の点が挙げられる。本年度は、産前産後の休暇、育児休業の取得のため、研究を進めることができなかった。このため、補助事業期間延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
休業以前に行った国際比較研究およびサーベイ研究の結果、そして構築したデータおよび推定プログラムを用いて、研究再開以降はジャーナル投稿用に論文を執筆する。研究再開以降に得られた結果を取りまとめ、学会などでの成果発表も同時に行い、そこで得られた知見を論文の改訂に活用し、ジャーナルへの投稿を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は、産前産後の休暇、育児休業を取得したため、次年度に繰り越しを行っている。次年度も引き続き、繰越金を含めた研究費を活用し、主に海外ジャーナルへの論文投稿を行っていく予定である。その際には、本年度に比べて英文校正費や投稿料などの面で支出が増えることが予想される。また、執筆した論文に対して国内外の研究者からのコメントを求めることも必要となることから、学会などでの研究発表に必要な旅費や参加費などの支出に研究費を使用していくことを計画している。
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