2018 Fiscal Year Research-status Report
Economics investigation the relationship between performance and determinants of health in corporations
Project/Area Number |
18K12803
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
河野 敏鑑 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (60733813)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会保障 / 労働経済 / 健康と企業経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、職域における所得格差・健康水準・企業のCSR(Corporate Social Responsibility: 企業の社会的責任)に関する取り組みや企業の雇用・人材活用施策・企業業績相互の関係を実証分析を用いて明らかにするものである。本研究は企業単位で健康の決定要因と思われる所得格差やCSRに関する取り組み、企業の雇用・人材活用施策と企業業績、従業員の健康状態との因果関係を明らかにすることを目的とする。本研究は企業活動と健康との関係について、新たな展開を切り開くものであり、少子高齢化が進行し生産年齢人口が減少する局面にある日本経済にとって、生産性の向上の一端を明らかにすることにつながり、政策的にも重要な示唆を与えるものである。 平成30年度においては、実証分析に先駆けて、労働が効用を生む場合において、合理的な個人が予算と時間の制約の下で意思決定を行う場合に、マクロ経済学的にどのようなことが生じるのかについて理論的な研究を行った。 この研究成果は令和元年6月に行われる日本経済学会春季大会で報告を行う予定である。 なお、研究代表者が平成30年度に発表した論文、学会発表は、平成26年度・平成27年度JSPS科学研究費補助金(研究活動スタート支援)26885082「職域における所得格差と健康」の研究成果など、全て昨年度以前から継続して行っている研究に関わるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度においては、前述した通り、実証分析に先駆けて、労働が効用を生む場合において、合理的な個人が予算と時間の制約の下で意思決定を行う場合に、マクロ経済学的にどのようなことが生じるのかについて理論的な研究を行った。 これは、一連の実証分析を行うのに先だって、理論的なモデルを構築する必要があると判断したため、当初の予定を変更して行ったものである。 このように当初は予定されていなかった理論的な研究を行ったこともあり、研究の実施は当初の予定よりもやや遅れているといえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はまず、平成26年度~平成29年度の健康保険組合の組合別データを情報公開請求によって入手し、平成15年度から平成29年度までの15年度分のパネルデータを構築する。 その上で健康状態や医療費の決定要因と企業内での所得格差との関係に焦点を当てた上で、健康状態や医療費を決定する要因を明らかにすべくモデルを構築する。 併せて、労働が効用を生む場合において合理的な個人が予算と時間の制約の下で意思決定を行う動学的モデルの研究を進め、政策提言につなげることも試みたい。
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Causes of Carryover |
ノートパソコンの購入などを先送りし、大学から支給される個人研究費などで研究に必要な経費を賄ったため、次年度使用額が発生した。 本年度以降にノートパソコンなどを購入する予定であるため、最終的には当初の予定通り、研究費を使用する予定である。
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