2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K12812
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
落合 夏海 大阪大学, 経済学研究科, 招へい研究員 (80812552)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ファイナンス / ボラティリティ / 金融工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボラティリティ変動の特性を理解することは、金融市場における様々な意思決定、および金融市場の安定化のための政策的提言を行う上で、非常に重要である。本研究の目的は、日本市場の高頻度リターンのデータに対し、ベイズ的手法を適用して、日本市場の日中ボラティリティに影響を与える特有の要因について検証を行い、ボラティリティの予測精度の向上に貢献することである。高頻度の資産価格リターンのボラティリティに対する実証分析は、欧米諸国のデータに適用されたものがほとんどであり、日本のデータに対する実証分析はあまり行われていない。本研究においては、先の世界的な金融危機を含めた日本の高頻度リターンに対するボラティリティの分析を行うことにより、非常時における日中ボラティリティの変動特性についても検証を行う。 Stroud and Johannes (2014) によって提案された方法に従って、高頻度リターンの日中ボラティリティを4つの構成要素(slowボラティリティ・ファクター、fastボラティリティ・ファクター、周期性効果、アナウンスメント効果)に分解する。それぞれのファクターを状態空間モデルによって定式化し、MCMC法を使ったサンプリングによって、その状態と関連するパラメータの統計的推測を行う。 本年度は、関連研究のサーベイと日経225株価指数先物の5分間リターン・データに対する分析を行った。研究の途中経過を、国内の関連する学会、研究集会において報告し、今後の研究を展開するに当たっての貴重なアドバイスを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高性能なデスクトップパソコンを使用し、推定のためのMCMCアルゴリズムの計算を続行している。
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Strategy for Future Research Activity |
日本市場の日中ボラティリティに影響を与える固有の要因について詳細な検証を行う。同時に、金融危機のようなグローバルなボラティリティの波及効果が日本へ与える影響についても分析を行う。
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