2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K12813
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐藤 愛 神戸大学, 経済経営研究所, ジュニアリサーチフェロー (20813471)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 短期契約 / 長期契約(解雇なし) / 長期契約(解雇あり) / Verifiable output / Non-verifiable output |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の中心的枠組みである経営者の職務を立証可能で株価に反映されやすい職務とその成果がすぐには立証不可能で株価に反映されにくい職務という二つの職務に分類し、前者と後者をあわせて最終的なアウトプット(見えるもの)がでる、そして契約期間(Short・Long)を区別するモデルの構築は前回の実績概要で記した。今回は、オーストラリアでのセミナー発表&頂いたコメントを反映し、上記モデルを拡張し、long-termを途中で解雇のあるものと解雇のないものの二種類に分類し、モデルを再構築した。short-term は、毎期契約更新でその場合 threat point を考慮してbargaining するので解雇はない。一方、long-term は、第1期目にいったん雇用すると何も条件を付けなければ2期目まで自動的に雇用してしまうので、条件によっては解雇するかどうかを前もって決めておく必要があるというものである。合計でいわば3種類の契約形態があることになるが、既存の理論研究ではshortや解雇のないlongの分析はなされているものの、longで解雇があるものの研究はあまりない。longで解雇があるというのは、現実でいえば、アメリカやオーストラリア、ヨーロッパなどの大学で多い非常勤講師(日本においては非常勤講師は別の大学の教員がバイトまたは依頼されて他大で一教科教えるなどといったケースが多いことからも、欧米における非常勤とはだいぶ性質が異なる)や派遣社員などにあたる。本研究は、派遣社員や非常勤講師などの職種を他の職種と比較分析できるという意味で、どのような報酬システム、契約形態が社会的に見て望ましいのか、という問題を解決していくにあたって論理的な筋道を与えることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文のfirst draftが完成し、発表をメルボルン内部では行える段階にまで来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はドラフトバージョン1の段階であり、基本的な構造が出来上がっており、いくつかの命題やコロラリーも導出されている。今年(2020年)の夏から秋にかけてRMITのほうで研究休暇(approved)をとりイギリスのLSEに客員として行き(approved)、LSEを基盤にマドリッドなどのいくつかの大学でセミナーをさせて頂く予定だった。ところがCOVID-19 パンデミックのため、これを中止した。論文の完成に際してより多くのコメントやフィードバックが役立つこともあるので、必要に応じて研究機関を一年延長する可能性がある。
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Causes of Carryover |
72515円が昨年より残った理由は、scientific workplace(ソフトウエア)を購入予定だったが、金額が足りなかったため、2020年度に購入しようとしたため。今年購入します。
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Research Products
(2 results)