2021 Fiscal Year Research-status Report
an original formulation of Italian fashion system from World War II to EEC
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18K12829
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
日野 真紀子 近畿大学, 経営学部, 准教授 (60735314)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イタリア / 産業集積 / 交通 / ファシスト / 特許 / 日本 / 比較 / 繊維 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「イタリアン・ファッション・システム」の形成について、トリノのモード公社Ente Nazionale della Modaと、1950年代後半から1960年代前半にかけて設立されるイタリア国内モード会 Camera Nazionale della Moda Italianaやイタリアン・ファッション・システム Sistema Moda Italianaとの関連について考察をすすめることを前提として、イタリア北部地域の交通網の整備について研究をおこなった。これは、産業集積が繊維工業において非常に重要であるとの視点からであり、流通の研究が寡少であるとの認識もあるためである。成果として「イタリア・ファシスト政権下における北部地域輸送網整備と経済発展」という論文を発表している。 また、2021年9月に世界経営史学会にて'Catching up and falling behind in technological progress: the experience of the textile industry in Italy and Japan before WWII'という題目で、特許技術に関する日本とイタリアの比較をおこない、報告した。この研究によって、後発工業国である日本とイタリアが先発工業国からどのように技術移転がおこなわれたのかが明らかとなり、また、両大戦間期の重要性が強調され、戦後の繊維工業の発展に繋がる議論として意義があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年10月より在外研究でイタリアに渡航ができており、コロナ禍で制限は様々あるものの、概ね順調に資料を蓄積しながら、研究を進めること可能となっているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題について、戦前戦後のイタリア繊維工業を形成を検討するために、戦後直後の経済政策を繊維工業各部門に細分化して状況を分析することが重要と考える。そのため、資金の流れとその後の技術の開発状況をまず観察し、これらの動きによって開発された新しい商品がファッション部門においてどのように促進、販売されていったのかを検討することが今後の研究推進の方策である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスにより、旅費がほとんど使用されなかったことが挙げられる。しかし、資料の収集にも影響があるため、図書の貸借等が増加しており、物品購入に回される予定である。
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