2018 Fiscal Year Research-status Report
低医療費と良質な医療提供の実現に向けたプライマリ・ケアの機能強化方法に関する研究
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18K12831
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| Research Institution | Kitami Institute of Technology |
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Principal Investigator |
伊藤 敦 北見工業大学, 工学部, 准教授 (40435251)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | プライマリ・ケア / 意識調査 / 機能強化政策 / 患者志向 / フリーアクセス / 医療情報の共有化 / 低費用 / 良質な医療 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の成果は、以下の二つである。第一に、日本のプライマリ・ケアの機能強化に資する政策を明確化するために、医療保険のフリーアクセスをめぐる論理、倫理問題、合意状況について検討した。政府側、国民側、医療従事者側の視点から様々な事実との整合性や前提の妥当性について検証を試みた。その結果、過剰医療の問題が懸念されていることからフリーアクセス抑制論が加速しているものの、議論の前提に事実誤認があることや論理の飛躍があることから必ずしも正当化できないことが示唆された。これらの問題を踏まえた上で、医療保険におけるフリーアクセスをめぐる正当化の条件を提示した。
第二に、日本のプライマリ・ケアの機能強化に資する国民の意向を明確化するために、オンラインモニター調査を実施した。インターネット調査会社に登録する全国のモニタを対象に都道府県別、男女別、年齢別に二段階層化抽出した2000人を対象とした。本調査では、主に医療モールの利用意識と印象、プライマリ・ケアの利用実態と意識、プライマリ・ケアの機能強化に向けた政策の受容可能性の3点について質問した。調査結果より得られた成果は以下の通りである。まず医療モールに関しては①存在を認識している者は27.3%、②実際に医療モールを利用した者は15.5%、③受診理由の第一は近所にあるからで61.8%である一方、医療費が安いと回答した者は1.9%に過ぎなかった。医療モールの利用者のうち、2つ以上の診療所を複数受診している者は46%であった。次に、プライマリ・ケアの利用実態について満足度調査を行った。プライマリ・ケア全体に対する満足度の割合は２Topボックスで12%と極めて低水準であることが判明した。最後に、最初に決まった医師（かかりつけ医等）を受診しその医師の紹介で、必要に応じて病院等の専門機関を受診する仕組みについては39.7%が同意していることが判明した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究の進捗状況はおおむね順調に進展していると言える。その理由は、以下の二つである。
・日本のプライマリ・ケアの機能強化に資する政策を明確化するために、文献研究を進めて論点を明確に整理したこと
・日本のプライマリ・ケアの機能強化に資する国民の意向を明確化するために、オンラインモニター調査を実施し利用者に認識や受容可能性を明らかにすることができたこと
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| Strategy for Future Research Activity |
文献研究や論点整理などを踏まえた上で、オンラインモニター調査を企画・実施することで利用者に対する認識や受容可能性の一部を明らかにすることができた。今後は、日本のプライマリ・ケアの機能強化に資する国民の意向を検証するために様々な観点から分析を進める。
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| Causes of Carryover |
インターネット調査会社に登録する全国のモニタを対象にオンラインモニター調査を企画・実施した。この調査費を捻出するために繰り越したため使用額に変更が生じた。今年度はデータ分析や学会発表、論文の執筆・投稿に専念するため研究計画に支障はない。
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