2018 Fiscal Year Research-status Report
技術認識のマネジメント:企業・市場・政府の相互作用
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18K12843
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大神 正道 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 講師 (90581603)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 技術マネジメント / 技術進化 / 技術認識 / 事例研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的は、各主体が有する技術に対する認識が技術進化の方向性にどのような影響を与えるのか、そのメカニズムの一端を明らかにすることである。平成30年度の研究は、調査と(技術マネジメント研究の流れを確認するための)学会への参加が中心であった。具体的には、第一に、元・産業技術総合研究所の関係者に対して、大阪工業技術試験所における炭素繊維の開発に関するインタビューを実施した。本インタビューは研究技術開発段階における技術認識(とりわけ技術進化の方向性についての認識)を確認するものと位置づけられる。第二に、日本を代表するエレクトロニクスメーカーの研究所関係者に対して、研究所における営業活動に関するインタビューを実施した。本インタビューは、研究所内の営業という視点から研究技術開発と事業部の技術に対する考え方の違い(組織内の技術認識の多様性)を明らかにする事例だと位置づけられる。第三に、京都に本社を置く計測器メーカーの複数の関係者に対して、工場移転と生産現場の対応に関するインタビューを実施した。本インタビューは、生産現場における技術知識の深化(とりわけ、工場移転の際に生じる生産技術知識の深化)が技術認識に与える影響を明らかにする事例だと位置づけられる。これらの調査と並行して、「2018年度組織学会研究発表大会(東京大学経済学部)」と、「2019年度組織学会年次大会(小樽商科大学)」に参加し、近年の技術マネジメント研究における流れを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに進んでいる。研究環境を整え、調査を中心とした研究を実施できた。調査の分析や暫定的な解釈に取り組んでいるところであるが、協力的な調査先(京都に本社を置く計測機メーカー)を得ることができたため追加的な調査等の実施が見込める状況である。以上より、計画におおむね予定通りに進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(令和元年度)は、前年度の調査に基づいて、また必要に応じた追加的な調査を行いながら、分析と解釈を進め、論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度においては、調査先からの必要な資料の提供や、メールでの追加的な情報提供があったため、必要な費用が少なくなった。平成31年度(令和元年度)では、追加的な調査を実施し、旅費や資料収集のために使用する。
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