2019 Fiscal Year Research-status Report
主体的キャリア形成と組織エンゲージメントの関係に関する実証研究
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18K12844
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Research Institution | Miyazaki Municipal University |
Principal Investigator |
市村 陽亮 宮崎公立大学, 人文学部, 助教 (80811116)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 主体的キャリア / 組織の中心性 / 日米比較 / キャリアの責任 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度の研究実績は、調査設計の確定と調査を開始したことである。 調査設計に際して、キャリア論に関連する論文だけでなく、組織の中心性に関する論文、組織による支援に関連する論文も参考にした。特に、プロティアンキャリアやバウンダリーレスキャリアに関する論文からは多大なインスピレーションを受けている。本調査の主要な目的のひとつは、独自の概念である拡張されたキャリアの責任が、プロティアンキャリア志向やバウンダリーレスキャリア志向と弁別されるのか、またそれらとの関係はどのように捉えられるのか、という点にもある。この点を、米国のデータと日本のデータの双方を用いて明らかにすることで、独自に作成した概念が、単に日本においてのみ検討されるものではなく、グローバルにおいて検討されうる可能性が開かれることとなる。 また、組織の中心性や組織による支援が拡張されたキャリアの責任に与える影響を日米のデータを用いて検証することで、キャリア形成における依存という現象を、より多角的に理解することにつながるだろう。 令和元年度には、まずパイロット調査を行い、アンケート調査の精緻化を行った。この際に、アンケート項目の修正や文言の修正も行われた。また、オンラインによるアンケート調査において必要なチェック項目についても検討することができた。こうした試行を経て本調査を執り行うことができたことで、本調査のデータの精度をより高めることができた。本調査については現時点で300名以上のデータを取得できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に報告したように、今年度は調査の実施が目標とされていたため、その実施の口火が切れているため、概ね順調に進展していると言える。ただし、今回、Mturlkというシステムを用いて調査を実施しているが、システムへの不慣れな点もあり、想定したよりもデータの取得数が伸びていない。この点を考慮すると計画以上とは言えないだろう。しかし、調査は実施できており、また調査の仕方については十分な理解が令和元年度によって得られたため、十分に進捗していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の最大の目標は、学会報告と投稿論文の作成である。そのために、本年度上期には本調査完了(2,000名分のデータ取得)し、下期にはその成果の報告を行う予定である。 まずは、拡張されたキャリアの責任とプロティアンキャリア、バウンダリーレスキャリアといった概念間の異同に関するデータを取りまとめ学会報告を経て投稿論文としたい。次に、依存のメカニズムについて、日米比較に関する論文を投稿を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、オンラインシステムを用いが調査において、想定よりもデータの取得に時間がかかっているためである。そのため、令和元年度内で想定していた調査に必要となる金額を下回る結果となった。しかし、調査自体は継続しており、十分なデータ数を確保するために令和2年度にて使用予定である。
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