2018 Fiscal Year Research-status Report
ものづくり中小企業のグローバル戦略 -海外展開後の拠点間マネジメント-
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18K12848
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
浜松 翔平 成蹊大学, 経済学部, 講師 (00751257)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中小企業 / ものづくり / グローバル戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ものづくり中小企業がグローバル成長を果たすための成功要因について明らかにすることを目的とする。 経営資源の限定的なものづくり中小企業にとって、海外展開は容易ではない。不本意な撤退を経験している企業もある。ものづくり中小企業がグローバル成長を果たす上での課題は、海外展開後の各拠点間のマネジメントである。経営資源が限られた中で、いかに海外事業を成長させるか。さらに、海外事業の成長とともに、国内事業をどのように再編成するか。そして、グローバル展開することで得られる強みをどのように全社で活用するか。これらは国内にとどまる企業に比べて複雑なマネジメントの検討が必要である。 本研究では、ものづくり中小企業の国内外拠点を分析単位とすることで、これらの課題にアプローチする。本課題は、実務的なニーズも強く存在する。そのため、学術的な貢献のみならず、実務的な貢献を達成することを目指している。 平成30年度は、以下のような調査を実施した。過去に研究代表者が調査を実施した海外事業が調査後にどのような展開しているかについて、海外フィールドワークを実施し、現地の経営者へのインタビューを実施した。また、過去訪問した既存の企業のみならず、これまで訪問したことのない新規の中小企業へのフィールドワークも複数回実施した。これにより、既存の調査先を含めて、新たな調査先ともネットワークが構築でき、調査先との協力関係を強めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題はおおむね順調に進展している。 本年度は、過去フィールドワークを実施した企業を対象に、過去の調査時点からどのように事業が変遷したかについて、インタビュー調査を実施した。本年度はタイを対象にフィールドワークを実施した。フィールドワークでは、中小企業のみならず、日本の大手セットメーカーにもインタビューを実施した。タイ経済状況の変化の中で、各社の取り組み事例を収集した。 過去に訪問してインタビューした企業と同じ企業を訪問することで、特定の1期間ではなく、複数期間における事例収集ができた。さらに、セットメーカーである大手企業でのインタビューも実施でき、中小企業の取り組みとの比較対象となる事例を収集できた。 また、これまで訪問したことのない新規の中小企業の調査として、中部圏のものづくり中小企業に着目して、フィールドワークを複数回実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査をさらに進展させるべく、ものづくり中小企業の国内外現場へのフィールドワークを実施する。平成30年度は、過去訪問した企業に重点的な調査を実施したが、次年度も継続して、過去の訪問企業のみならず、新規のものづくり中小企業への訪問を行っていく予定である。 また、平成30年度は国内外での企業調査やデータ収集に注力したが、次年度は調査結果を公表することに徐々に軸足を移す。平成30年度に調査した企業での事例について、順次成果発表を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度は、所属先の大学の学内予算を獲得し、その予算から支出する費用があったため。 本年度は、当初予定していた調査に加え、新規に知り合うことができた国内外の企業を調査し、分析に必要な機材やインタビューのテープ起こしなど成果発表の生産性をあげるための費用として用いたい。
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Research Products
(2 results)