2018 Fiscal Year Research-status Report
Empirical study of organizational capability building process and competitiveness of Japanese manufacturing firms
Project/Area Number |
18K12849
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
福澤 光啓 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (80572833)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 組織能力 / 競争力 / ものづくり / ダイナミックケイパビリティ / 戦略形成 / 組織デザイン / 生産管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本企業を取り巻く市場・技術環境が激変するなかで、国内製造拠点は、生き残りとさらなる成長を目指して日々奮闘している。本研究の目的は、これらの競争力を支えるものづくり組織能力の形成・進化過程に影響する組織内プロセスの詳細な実態とそのメカニズムを、本社(事業部)、事業所、職場組織という3階層で多層的に把握するとともに、現在の日本国内拠点を対象とする産業横断的なフィールド調査と質問紙調査を組み合わせて実証的に解明することである。 平成30年度は、(1)理論的研究と(2)実証的研究の両方を推進した。まず、理論的研究については、年間を通じて、組織能力論、経営戦略論、組織論、生産管理論などに関する国内外の先行研究の包括的サーベイを実施し、本研究の分析枠組みと仮説の構築を進めた。その途中成果について、国内学会および研究会にて、複数回にわたり報告を行った。 つぎに、実証的研究としては、理論的研究と並行しつつ、本社・事業部および事業所に対するフィールド調査を実施した。平成30年4月から7月頃にかけて、数社を対象に予備調査を行い、得られたデータにもとづいて分析枠組みの構築や仮説を構築するとともに、組織能力や内部淘汰環境、組織成果を測定する質問項目の準備を進めた。平成30年8月~11月頃にかけて、追加的に予備調査(実務家への聞き取りおよび現場調査)を行い、調査の実行可能性や有効性を高めるために質問項目の洗練化をはかった。その後、平成30年12月~平成31年1月にかけて、複数の調査対象拠点に対して産業横断的に質問紙調査を実施し、2月にはその成果の一部を調査対象企業へ報告するとともに、複数のコメントを得た。それにより、次年度に行うべき調査の方向性と内容の示唆を得たため、分析枠組みおよび質問項目の更なる改善を図ることを次年度の初めに取り組む課題とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、(1)理論的研究と(2)実証的研究の両方を推進できた。 まず、理論的研究については、年間を通じて、組織能力論、経営戦略論、組織論、生産管理論などに関する国内外の先行研究の包括的サーベイを実施し、本研究の分析枠組みと仮説の構築を進めた。その途中成果について、国内学会および研究会にて、複数回にわたり報告を行い、その一部について、論文としてまとめた。 つぎに、実証的研究としては、本社・事業部および事業所に対するフィールド調査を実施した。平成30年4月から7月頃にかけて、数社を対象に予備調査を行い、得られたデータにもとづいて分析枠組みの構築や仮説を構築するとともに、組織能力や内部淘汰環境、組織成果を測定する質問項目の準備を進めた。平成30年8月~11月頃にかけて、追加的に予備調査を行い、調査の実行可能性や有効性を高めるために質問項目の洗練化をはかった。その後、平成30年12月~平成31年1月にかけて、複数の調査対象拠点に対して質問紙調査を実施し、2月にはその成果の一部を調査対象企業へ報告するとともに、複数のコメントを得た。この質問紙調査では、事前の想定以上に対象企業からの協力を得ることができたため、その結果も示唆に富むものとなり、次年度においてさらに調査を進めるべき対象が明確になった。次年度も、調査対象企業から、さらなる協力を得られることが期待されるため、継続して調査項目を増やして研究の深堀を行うことを計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度も、継続して、(1)理論的研究と(2)実証的研究の両方を推進する。 理論的研究については、平成30年度から行っている文献調査をさらに進めるとともに、本研究の理論的枠組みや実証研究から得られる知見を踏まえた理論構築を行う。特に、文献調査の成果については、できるだけ早い時期に論文としてまとめて国内外の学術雑誌への投稿を目指す。 実証的研究については、平成30年度から実施している聞き取りおよび質問紙調査を継続して行う。平成30年度に調査した事業所の追跡フィールド調査と質問紙調査を行うことにより、組織能力や組織成果の変化と組織内淘汰環境のあり方とを関連付けて経時的な比較を行う。 また、年度末にかけて、研究成果全体のまとめと発信を行う。なお、適宜、上記の調査・研究を通じて得られた成果を国内・海外の学会で発表し、国内・海外の学術雑誌へ投稿を目指す。加えて、実務家に対して得られた知見を積極的に還元する。
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