2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K12855
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
高橋 大樹 武蔵野大学, 経営学部, 准教授 (50780946)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 経営学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、論文・書籍の引用データを用いた定量的アプローチを用いて、これまで実現しえなかった網羅的な学説史研究を展開する手法を確立することにある。既存のレビュー研究は、少数の重要な研究を探求する定性的アプローチで行われてきた。しかし、このアプローチには、取り上げる文献の客観性や網羅性という点で不十分な点がある。 本研究は、既存の定性的なアプローチの弱点を、統計処理可能な引用データを用いた定量的アプローチを新たに併用することで補うことを意図したものである。こういった方法が確立できれば、各国の主要雑誌のデータを用いた国際比較研究や、大規模な学説史研究につながえることもでき、今後の発展も多いに期待される研究だと考えられる。 本年度は、経営学分野においてこれまでに展開されてきた、定量的アプローチを用いた研究群の網羅的なレビュー研究を論文として発表した(高橋大樹(2021)「計量書誌学的アプローチを用いたマネジメント研究の現状」『武蔵野大学経営研究所紀要』第4号53-113頁)。Web of Scienceのマネジメント領域に分類される学術論文の中で、定量的アプローチを用いた研究群を示す最も特徴的なキーワードの一つである「bibliometrics」を含む研究は2021年8月時点でで295本あり、それらの論文の85%が2011年度以降、38%が2019年度以降に発表されている。本研究では、これらの295の論文に関して、定性的なアプローチを併用し、4つの研究パターンの分類をさらに試みている。4つの研究パターンは、分析目的が知の構造研究であるか否か、分析対象文献が学術論文のみに限定されているか否かの2軸によって分類される。そして、本論文ではこれらの4パターンの代表的な研究を紹介しながら、今後の発展可能性について議論を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に関しては研究成果を論文という形で発表することができた。次年度については、書誌情報をさらに統計的に分析し、より洗練された定量的アプローチを用いた研究を行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
所属研究機関と連携、調整し、過去2年間の新型コロナウイルス対応で延期せざるを得なかった研究をさらに推進できるような体制を整えていきたい。また、研究状況によってはオンラインにてRA(リサーチアシスタント)を雇用するなどの施策を行いたい。
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Causes of Carryover |
過去2年間新型コロナウイルス対応により、2年間の研究期間延長を行った。この期間執行ができなかったため、次年度使用額が生じている。 次年度は関係書籍・論文の購入やRAの雇用、分析用ソフトウェアの購入費などで執行していきたい。
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