2022 Fiscal Year Annual Research Report
Followership as a Reflection of Leadership - Middle Manager's Experience and Succession at Work -
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18K12856
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
渡部 博志 武蔵野大学, 経営学部, 教授 (40612461)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フォロワーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、上司の下で組織目標に向けて取り組む際のフォロワーシップと、それと同時に自らがリーダーとして率いている部下に対するリーダーシップとの関係を、組織の能率性という観点から明らかにすることを意図した研究である。いわゆる組織における中間管理職は、リーダーとして組織を率いながら上司の直面する課題の解決にフォロワーとして役割を担うという二重の機能を果たす存在であることに注目したものである。 上司の下でフォロワーとして行動をすることに焦点を当てたところ、上司への信頼が強いほど、上司が更に上の立場の人物に対して取るフォロワーシップ行動と類似することが質問票調査を通じた分析から明らかになった。また、上司とのフォロワーシップの類似度は、上司への信頼と組織へのコミットメントとの間にマイナスの交互作用効果があることも統計分析から示された。このことは、上司への信頼という人物の面からは行動を真似るものの、組織への愛着が故に自らの行動を上司という一個人の行動と同質化させないという意識が存在している可能性を示唆するものだと考えられる。 しかしながら、コロナ禍において上司と部下の接触機会そのものに変化が生じたことがアンケート調査から明らかになった。最初の緊急事態宣言発出後1年間にリモートワークの頻度が増えたという回答は半数以上あり、特に一都三県においては非常に増えたとの回答が4割を超え、業務上のコミュニケーションそのものが増加したという回答が3割にのぼった。 コロナ禍で今まで必要とされていた以上のコミュニケーション機会が生じ、また直接対面ではなくリモートワークという形を経験したものの、上司に対して能動的に忠実な行動を取るフォロワーシップ行動と、組織への愛着ならびに上司とのフォロワーシップの類似度とは無関係である(統計的に有意な関係は見られない)ことが、2022年度に実施した調査から示された。
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