2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Recovery Process from Entrepreneur's Failure: Exploration by Narrative Approach
Project/Area Number |
18K12867
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
足代 訓史 専修大学, 経営学部, 教授 (40583258)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 企業家の失敗 / アントレプレナーシップ / 認識枠組み / ビジネスモデル / ドメイン / プラットフォーム / エンゲージメント行動 / 消費者生成メディア(CGM) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1)企業家の認識枠組みの変化と(2)ビジネスモデルに関する企業家の学習の2つの論点から、企業家による事業の失敗からのリカバリープロセスの論理を、理論研究と事例研究の同時並行的遂行をもって明らかにすることを目的としている。最終年度である令和5年度の理論研究と事例研究の成果は以下の通りである。 理論研究は、前年度に引き続き、確固たる市場地位を有するプラットフォーム(PF)ビジネスの成熟や衰退に関する現象を「企業家による事業の失敗」の論点として捉えるべく、後発事業者の参入によるPFの市場地位低下やビジネスモデルの成熟化に関する理論的観点を整理した。これらに関しては、書籍(分担執筆)1本と書評論文1本とを発表した。一方、事例研究に関しては、上記の理論研究で検討した観点に関するサービス間競争の事例を整理した。そして、理論研究と事例研究を統合的に検討したものを学会誌論文として1本発表した。 研究期間全体を通じては、主に以下の成果をあげたと考えている。まず、理論研究に関しては、企業家による事業の失敗を、PFビジネスの成熟という具体的現象の中に位置づけ、当該論点に関するレビュー論文を1本発表した(赤門マネジメント・レビュー)。さらに、ビジネスモデル論に関しては、書籍を2本(共著と分担執筆)発表した。また、理論的研究を踏まえた事例研究の論文は、学会誌論文4本(VENTURE REVIEW、日本経営学会誌、マーケティングジャーナル)、所属大学の紀要論文1本を発表した。他にも、学会報告2回や書評論文2本、ワーキングペーパー3本などの成果を発表している。以上の成果から、具体的現象を基にして、企業家の事業の失敗のメカニズムは一定程度明らかにできたと考えているが、本研究の目的のうち、リカバリープロセスに関する検討は継続的に論点を整理し、さらなる検討を進める所存である。
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