2018 Fiscal Year Research-status Report
価値評価と多元的価値の組織化に関する研究:製造業による異業種参入事例を通じて
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18K12872
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
上西 聡子 (ホームズ聡子) 近畿大学, 経営学部, 准教授 (70632842)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 価値評価 / 真価 / 価値体系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、価値評価(valuation)や評価(evaluation)に関する研究を手掛かりに、価値が混在する異業種間の戦略的提携において、いかに多元的価値が組織化されるのかを捉えていくことにある。そのため、初年度である平成30年度は、研究実施計画に記した通りに、Sociology of Valuation and Evaluation(以下、価値評価研究)のレビューを行った。 価値評価研究の目的は、真価(worth)を問うということにある。これまでの議論では、何が価値なのかが問われてきたが、価値評価研究では価値をつける根拠となる真価に注目する。その理由は、価値をいくら問うても、それは外生的な事実の測定でしかなく、答えはでない。だが、真価とは、測定の効果を真実と考える科学によって作り出すことができる。つまり、何が真実かではなく、何を真実をするのか、そちらの側面に注目することで、実際に我々が行っている価値づけの実践を明らかにしていこう、とする。これが価値評価研究の大枠である。 ただし、大きく分けて2つの課題を抱えている。ひとつが、経験的研究の充実である。2013年に始まったばかりの分野である上に、いまだに理論的体系化がなされていない。この理論的体系化が2つ目の課題である。そのため、現在様々な角度から理論的体系化が行われるのと同時に、経験的研究の蓄積も行っている。 上述したような内容が、平成30年度に行ったレビューから明らかとなった。この発見事実は、2018年10月に行われた国際シンポジウムで発表した(神戸大学松嶋登教授と共同で)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述したように、価値評価研究のレビューは順調に進んでおり、その成果も研究報告で発表している。また、現在、パイロット調査を行った内容を検討した論文を投稿中であり、価値評価研究のレビュー論文も執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に記したように、今後は理論的検討を継続しながら、経験的研究の蓄積を行っていく予定である。いくつか調査先があるため、理論的枠組みの構築を目指しながら、フィールドワークを行っていく。
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Causes of Carryover |
購入予定であったノートパソコンを購入しなかったことが主要な理由である。ただし、次年度はフィールドワークに出向くため、ノートパソコンを購入する予定である。
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