2018 Fiscal Year Research-status Report
顧客満足とロイヤルティの関係に与える消費の文脈の影響
Project/Area Number |
18K12886
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
侯 聡聡 九州産業大学, 商学部, 准教授 (00613465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 顧客満足 / ロイヤルティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、顧客満足―ロイヤルティ間の関係に変化をもたらす要因を検証することを目的にしている。平成30年度の研究実施計画では、①先行研究のレビューを行い、顧客満足―ロイヤルティ間を調整する要因の整理を行うこと、②その整理に基づき、分析の枠組みを構築することを挙げた。スイッチ行動の先行研究に従えば、顧客がスイッチする要因は個人的要因、取引的要因、競争的要因に分類できる。本研究はこれらの要因を手がかりにしながら、顧客満足―ロイヤルティ間を調整する要因の検討を行ってきた。特に個人的要因は顧客自身の置かれた状況に起因するもので、企業側のコントロールが難しいものであるが、企業はこのような顧客の消費文脈を踏まえて関係維持の要因を理解する必要がある。本研究はそのような消費の文脈を分析に取り込んで検証をしたいと考えてきた。 H30年度は関連する分野において顧客満足―ロイヤルティ間の調整要因についての先行研究の整理を行い、状況によって企業のロイヤルティに影響を及ぼす要因が機能したりしなかったりすることを理論的に導き出した。本研究では、特に顧客満足要因がどのような状況の時にロイヤルティに影響を及ぼすかへの理解を深めることにつながると考える。理論的には既存研究に新たな知見を付け加えることになり、この分野の研究を深めることになる。また実践的にはより効率的なロイヤルティマネジメントの参考になると考える。先行研究を受けて②の分析枠組みの構築も一定程度までは構想できているが、尺度や統計的分析手法といった細部の整合性という点でまだ乖離が存在し、今後埋めていかなければならない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、先行研究の整理及び分析の枠組みの構築の部分まで進める予定であった。しかしながら、先行研究の整理は関連分野を十分に網羅できておらず、研究視角も明確に打ち出すことができず、予想以上に時間を要している。また、その整理と合わせて分析枠組みの構築がスムーズに進まなかったことが理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、可能な限り文献の整理と分析枠組みの構築を迅速に完成させたいと考えている。資料や論文を読み込む必要があるため、十分な研究時間を確保したい。そして文献整理にもとづいてサーベイ調査に取り掛かれるようにしたい。進捗が少し遅れているが、計画に沿って進めていきたい。
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Causes of Carryover |
文献レビューを中心に行ったため、当初予定の統計ソフト購入を実施しなかった。また、同様に当初計画した海外学会と国内学会へは、別研究費での参加となったため、費用が発生しなかった。今年度は、統計分析が必要となり、また学会報告も予定しているため、前年度実施できなかった計画を今年度に移して費用計上した。
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