2020 Fiscal Year Research-status Report
顧客満足とロイヤルティの関係に与える消費の文脈の影響
Project/Area Number |
18K12886
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
侯 聡聡 九州産業大学, 商学部, 准教授 (00613465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ロイヤルティ / 顧客満足 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消費の文脈が製品やサービスのロイヤルティに与える影響を検討していくものである。これまでの多くの先行研究では、顧客満足を高めることがロイヤルティにポジティブな影響を与えることが示されてきた。しかし現実ではそのようにならないケースも多い。そこで本研究ではどのような場合に満足がロイヤルティに与える影響が強くなり、どのような場合にそうならないかについて消費の文脈に注目して検討する。消費の文脈とは、先行研究によれば3つに大別できる。個人の置かれている状況的要因、競争的要因、反応的要因(個人と企業の取引時に起こるもの)である。本年度はこれらの要因が構成する文脈の満足―ロイヤルティ間関係に与える影響を文献レベルで検討している。このうち、反応的要因に関しては大手企業と中小零細店舗ではその効果が異なることを検討した。特に大手小売りの場合は経済合理性や利便性の追求によって顧客の満足を高めロイヤルティを高めてきたが、反面、一人一人の顧客との取引における、必ずしも利益に直接結びつかない密なコミュニケーションや人的つながりは取り除かれてきた。しかし、中小零細店はその点において大手よりもよく見受けられる。店主と顧客の距離は大手企業のそれよりも近い。したがって反応的要因は個人店主においてもより強く働く可能性があることを検討した。このように、先行研究のあいまいさを再検討して精緻化を図るとともに今後の調査・分析のための枠組みを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に調査分析をする予定であったが、世界規模の公衆衛生上の問題が起こり、正常に研究を遂行することができず、本研究が予定していた調査も中止せざるを得なかった。したがって、本研究において予定されているサーベイ調査等の調査と分析のステップまで進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度前半に調査のための準備を行い、秋前頃に実証調査のサーベイ調査を行う。これとは別に必要に応じてヒアリングを行う。リアルでのヒアリングが難しい場合はリモートなどの代替手段を講じる。サーベイ調査は調査会社などに協力を依頼する予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度に予定にしていたびサーベイ及びヒアリング調査をすることができなったため、それを次年度に実施延期する必要性が生じた。資料整理や分析な ど研究遂行に必要な物品費を1100,000円、学会や研究会参加や打ち合わせ、 ヒアリングなどのための旅費を250,000円、人件費謝金を50,000円、その他639,943円を計上する。
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