2022 Fiscal Year Annual Research Report
effects of context on the relationship between Customer satisfaction and loyalty
Project/Area Number |
18K12886
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
侯 聡聡 九州産業大学, 商学部, 准教授 (00613465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 顧客満足 / ロイヤルティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ロイヤルティにポジティブな影響を与えるとされてきた顧客満足が、消費の文脈の違いによってその効果が変わることを検討することである。顧客満足が向上すると、ロイヤルティも高くなることはよく知られているが、そうならないケースも意外と多い。本研究は、消費文脈の視点を取り入れながら、顧客満足をしていても、それを超えて他にスイッチしようとするのはどのようなときかについて実証的に検討する。 サービスマネジメント分野におけるスイッチ行動に関する先行研究の整理から、消費者の置かれた文脈を状況的要因、競争的要因、反応的要因の3つに分類した。また、顧客のロイヤルティに影響を与える要因を、顧客満足やコミットメント概念を中心に構造的に捉えることを試みた。 こうした分析の枠組みに基づきながら、仮説を構築して、調査項目を作成の上、消費者にインターネット調査を実施した。調査は、調査会社に協力を頂いた。調査対象は、携帯電話サービスおよび動画配信サービスの利用者である。どちらの研究対象もサービスを主に提供しており、顧客の獲得、維持のマネジメントが業績に大きく影響する業界である。データの分析は途中であり、今後引き続き行われている。 予想される結果は、消費文脈が異なると、満足―ロイヤルティ間の構造的な関係に変化が生じることである。そして、実践的にはより効果的な顧客維持戦略構築に役立つことが考えられる。また理論的な貢献として、「偽のロイヤルティ」の顧客の行動パターンをより深く解明することにつながると考えられる。更に言えば、スイッチ障壁としての満足が機能しないなら、どのような要因が消費者を惹きつけるのかについて、今後の検討可能性を示すことにつながるかもしれない。
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