2021 Fiscal Year Annual Research Report
A study of the impact of top management's discretion on the use of management control systems
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18K12889
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| Research Institution | Kanagawa University |
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Principal Investigator |
尻無濱 芳崇 神奈川大学, 経営学部, 准教授 (20728331)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 経営上の裁量 / 管理会計 / 公立病院 / マネジメント・コントロール / 上層部理論 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、これまで入手した質問票調査とインタビューデータを分析し、経営上の裁量を制限する要因の解明、およびそれが組織の管理会計に与える影響を明らかにすることを試みた。
質問票調査結果の分析については、質問票内の「経営上の裁量が制限された経験」に関する自由記述欄をコーディングし、①公立病院経営者が裁量を制限される経営活動の領域と、②経営者の裁量を制限する利害関係者について明らかにした。①については、経営者の人事・労務に関する裁量が制限されているケースが多いことが判明した。②については、首長、本庁事務方、院内事務方が経営者の裁量を制限しているという意見が多く見られた。
質問票調査からは、回答者の管理会計知識、経営上の裁量の2つが管理会計の利用に与える影響も分析した。その結果、管理会計の知識が高いほど、管理会計が使われる可能性が高いことがわかった。一方、経営の裁量が限定的であるほど、管理会計が使われる可能性は低くなっていた。この分析結果をまとめた論文については国際的な学術誌において論文査読中である。
インタビューデータについては、公立病院の病院長・事業管理者（経営者）から見た公立病院経営者の裁量を制限する状況について論文をまとめた。経営者に対するインタビューを分析した結果、公立病院経営者の裁量を制限している重要な利害関係者は、首長、議会、事務職員であることが分かった。これら利害関係者がどのような状況で経営者の裁量を制限するのかについても明らかにした。
インタビューデータを用いた分析としては、他にも経営者が会計や経営に関する知識をどれだけ修得しているか、彼らの裁量がどの程度かといったことが管理会計の設計・利用に与える影響についても論文をまとめた。分析の結果として、経営者に経営や会計の知識があっても裁量が制限されている場合には管理会計の利用が制限されることが分かった。
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