2020 Fiscal Year Research-status Report
The effect of accounting discretion on firms' credit ratings
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18K12895
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
古賀 裕也 東北学院大学, 経営学部, 准教授 (40780383)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 格付 / 利益マネジメント / 複数格付 / 経済的帰結 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は日本の格付市場の特徴である複数格付が利益調整行動にどのような影響を与えるのか、またどのような経済的帰結が生じるかを実証的に検証することである。 2020年度は、本研究課題を通じて執筆した論文1編(論文1)を海外学術誌への投稿にむけて修正し、投稿した。論文1は、投資適格と不適格のボーダーラインであるBBB-とBB+で顕著な実体的利益マネジメントが行われていること、格付機関は複数格付が付与されている企業の実体的利益マネジメントについては格付水準において割り引いて評価していることを明らかにしている。2020年度では追加的な頑健性分析を実施し、投稿用論文を完成させた。2020年10月に海外学術誌であるThe international journal of accountingへ投稿し、2021年1月に査読結果が届いたが、第1ラウンドでのリジェクトの結果を受けた。結果をうけて、匿名のReviewer2名からのコメントを熟読し、今後の論文投稿に向けた論文の改善案を検討した。 また、昨年度海外学会で発表した論文1編(論文2)を海外学術誌への投稿にむけて修正した。論文2は、IFRS適用企業の格付関連性がIFRS適用後に増加していること、また複数格付を取得している場合、その効果がより顕著に表れることを明らかにしている。2020年度では頑健性分析と追加分析を実施して論文2を完成させた。論文2は海外学術誌投稿にむけ、ワーキングペーパーを作成し、登録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、研究実施計画に従って論文の海外学術誌への投稿にむけた準備を行った。2020年度は論文1編を海外学術誌に投稿した。また、論文1編は海外学術誌への投稿にむけてワーキングペーパーとして登録した。研究実施計画は遂行されたと考えられるが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う校務負担(主にオンライン講義の準備など)の増大に伴い、海外学術誌への投稿と準備がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は本研究課題で執筆した論文2編の海外学術誌への投稿を進め、学術誌掲載を目指す。論文1は2020年度においてリジェクトの結果となったものの、建設的なコメントをもらうことができた。2021年度はコメントを反映し、推敲し海外学術誌への投稿を行う。論文2は英文校正を行い、その後、海外学術誌への投稿を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大に伴う校務負担の増加に伴い、海外学術誌への投稿準備にやや遅れが生じている。次年度使用額は海外学術誌への投稿のための英文校正費として使用する予定である。
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