2018 Fiscal Year Research-status Report
The Study on Construction of Intangibles and Organization Design
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18K12899
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
梅田 宙 高崎経済大学, 経済学部, 講師 (60803054)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インタンジブルズ / 組織観 / 組織資産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織設計とインタンジブルズ構築の関係を明らかにすることである。研究テーマを元に,当年度は2本の論文を執筆し,学会報告を1度行った。 1本目の論文は,「エマージェント組織のインタンジブルズマネジメント」である。本論文では,研究開発型の組織であるA社が,顧客から開発を依頼された製品開発に迅速に取り組めるような仕組みと,このような組織を運営するためのインタンジブルズを明らかにすることが目的である。検討の結果,A社は迅速性,創発的,そして職能横断的な連携という3つの特徴を有する組織であると整理し,このような組織をエマージェント組織と定義した。これらの要素を備えるには,組織資産に属するインタンジブルズをマネジメントする必要があるとして,マネジメントの方法を検討した。 2本目の論文は,"STRATEGY IMPLEMENTATION USING BSC IN A HOSPITAL ORGANIZATION: PRACTICE OF DEVELOPING INTANGIBLES"である。本論文は,BSCを導入したある病院が,いかにしてインタンジブルズを構築しているのかを明らかにすることを目的としている。組織の1部門は,BSCの戦略目標をESの向上とした。ES向上の評価指標の1つが時間外勤務時間削減である。この指標を改善するために当該部門の組織構造をブースと呼ばれる仕事の役割ごとに区切り,どのブースで業務を行うスキルを有するかを看護師ごとに可視化し,足りないスキルを重点的に強化することで特定の看護師に業務が偏らないような仕組みを構築した。業務が平準化し,時間外勤務時間が削減されESが向上した。インタンジブルズのうち,人的資産に属するスキルを強化するために,組織構造を見直した事例である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,企業へのインタビューとともに,文献レビューを重点的に行うというものであった。この計画を実施する前に,以前のインタビュー調査,参与観察データをもとにして,2本の論文の執筆と1回の学会報告を優先的に行ったため,当初の計画に遅れが生じた。ただし,次年度には確実に実施する予定であり,研究計画の遂行に支障はないものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画の遅れを埋めるため,本年度は文献研究を中心に研究を進める。本年度に執筆した2本の論文の中で検討したインタンジブルズと組織資産の関係に関連する文献の収集を行う。収集した文献を元に論文を作成して投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
計画していた物品費に属する備品等を購入せずに,海外で学会報告をする旅費に充てたことが差額が生じた主な理由である。
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Research Products
(3 results)