2020 Fiscal Year Research-status Report
The Study on Construction of Intangibles and Organization Design
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18K12899
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
梅田 宙 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (60803054)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 組織資本 / インタンジブルズ / インタンジブルズ間の関係 / BSC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織設計とインタンジブルズ構築の関係を明らかにすることである。本年度は文献研究を中心に研究を進める計画を立てており,研究テーマを元に当年度は1本の論文を執筆した(査読結果修正段階)。 本論文は,「インタンジブルズ間の関係性-BSCの学習と成長の視点に焦点を当てた考察-」である。本論文では文献研究によって,人的資本、情報資本、組織資本間といったインタンジブルズが他のインタンジブルズの構築にどのような過程を経て影響を与えるのかを組織資本に特に焦点を当てて検討を行った。 調査の結果,組織資本に該当する組織文化,アラインメント,リーダーシップは戦略への方向付けを促すために構築され,そこから人的資本,情報資本に影響を与える戦略タイプの組織資本があることを提示した。戦略タイプの組織資本はトップが戦略を実行するという明確な意図のもと,戦略を実現するために必要な土台として構築される。戦略への方向付けという役割を組織資本が担うことになる。また,従業員に帰属する人的資本が社会的資本を媒介にして組織資本への蓄積に影響を与えるというストックタイプの組織資本があることを示した。ストックタイプの組織資本は企業の支配が及ばない人的資本や企業外部との関係性から得られた知識やスキルを企業内部に蓄積するという役割がある。ストックタイプの組織資本は先行研究で示されていた人的資本が組織資本に影響を与え,組織資本が情報資本を経て人的資本に影響するという循環の関係を示していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,エマージェント組織を実施しているとしたA社へのインタビュー実施することに加えて海外の工場へ調査依頼をする予定であった。しかし,前年度に引き続き新型コロナウイルスの影響が続いており,実施が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの終息が見通せないため,本年度は文献研究を中心に,また追加でアンケート調査研究を視野に入れて研究を進めることとする。
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Causes of Carryover |
海外への視察を含むインタビュー調査の実施ができなかったことが差額が生じた主な理由である。本年度は文献研究のための書籍費と,またアンケート調査費としての使用を計画する。
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