2021 Fiscal Year Research-status Report
経営者の自発的開示戦略と情報間の相互作用についての理論的研究
Project/Area Number |
18K12900
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
山口 貴史 大東文化大学, 経営学部, 准教授 (50815024)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 財務会計 / ディスクロージャー / 資本市場 / 製品市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、数理モデルを用いて、経営者の自発的開示戦略と情報間の相互作用を検討し、自発的開示研究の発展に貢献することである。今年度は、前年度までにサーベイした内容をもとに、資本市場における情報開示が製品市場に与える影響について理論モデルの構築を試みた。
経営者は、アニュアル・レポート、環境報告書、知的財産報告書および統合報告書といった情報を投資家に対し自発的に開示することがある。このような報告書に含まれている研究開発や製品サービスに関する情報を開示することは、投資家の証券市場における意思決定に影響するだけでなく、消費者の購買意欲や同業他社の戦略を変化させ、同業他社の製品市場における意思決定に影響に及ぼす可能性がある。そこで、製品市場における同業他社の意思決定に影響を与える状況下において、経営者がどのような自発的開示戦略を取るのかについてDarrough(1993)を拡張する形で数理モデルを構築し、分析を試みた。また、企業は保有する技術を自社製品の生産に利用するだけでなく、同業他社にライセンスすることもある。そこで、技術のライセンス供与および生産活動から収益を得る企業がライセンスの供与相手である同業他社と数量競争を行う状況における、企業のライセンス戦略と自発的開示の関係にも焦点を当てた。
2021年7月に「現代ディスクロージャー研究」(日本経済会計学会)に投稿し、2022年4月に論文が公表されている。 また上記のモデルに関連する研究ノートも「経営論集」(大東文化大学経営学会)において公表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は、製品市場と経営者の自発的開示の関係を扱う数理モデルを構築し、論文を学会誌に投稿することであった。 「現代ディスクロージャー研究」(日本経済会計学会)に投稿し、既に掲載されている。 加えて、「経営論集」(大東文化大学経営学会)において研究ノートを執筆した。
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Strategy for Future Research Activity |
学会あるいは研究会で報告することやモデルの拡張のためのサーベイ論文の執筆を目標とする。
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Causes of Carryover |
「COVID-19」の影響で学会がweb開催となり、旅費が必要にならなかったため。
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Research Products
(2 results)