2023 Fiscal Year Research-status Report
Research for the modeling and introduction of environmental management indicators
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18K12902
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
北田 皓嗣 法政大学, 経営学部, 准教授 (90633595)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サステナビリティ / 統合思考 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、組織の内部管理と外部アカウンタビリティの相互作用に焦点を当てており、今年度は特に企業のサステナビリティに関する情報の開示から企業戦略の動向を探る研究を行いました。具体的には、学問的にもその重要性が高まっている企業のサステナビリティ活動とビジネス活動の統合を促進するための内部管理の概念である統合思考を深く掘り下げ、その形成要因の詳細な分析を進めています。これらの成果は国際的な学術会議での発表にも繋がり、2024年6月には台湾での研究報告が予定されております。 この統合思考の評価に際しては、機械学習の一手法であるトピックモデリングを活用しています。この方法は、従来の辞書ベースのアプローチや人手によるコーディングを用いる分析手法と比較して、大量のテキストデータを効率的に分析することが可能であり、文脈に基づいたより深い評価を行うことができるという利点があります。この技術を用いることで、サステナビリティの情報開示と企業の戦略的な意思決定プロセスとの統合的な研究への貢献が期待されます。 さらに、これらの評価手法を活用し、日本企業およびオーストラリア企業の統合報告書を分析する研究も進行中です。具体的には日本とオーストラリアの文化的な背景が開示内容には反映される状況を分析しています。現在、その成果をまとめた論文の執筆が進行しており、近い将来、その成果が学術界に対してどのような影響を与えるかを検証する段階にあります。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の部分でも説明したとおり,今年度は外部と内部のアカウンタビリティの接点となる研究として,統合思考の推定とその規定要因を明らかにした。論文執筆も順調に進んでおり,国際会議での発表も採択されており,研究計画は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,第一にすでに過年度までに,調査や分析が完了している研究の,論文執筆や学会発表,ジャーナルへの投稿を進めていく。これらの研究として,次のように作業を予定している。 (1)マテリアルフローコスト会計を通じた資源生産性管理と,組織の環境マネジメントコントロールシステムとの関係を分析した研究がある。この研究はジャーナルなどに投稿し,レビュアーからコメントをもらい,適宜修正しながら投稿作業を行なっている。 (2)統合思考の測定とその規定要因を明らかにする研究である。研究実績の概要でも述べたように2024年6月に台湾での研究報告を予定しているとともに,海外の関連分野での専門家からもコメントをもらって論文の修正作業を進めている。今後はこれらの議論を踏まえて,ジャーナルへの投稿を予定している。 (3)トピックモデリングを利用した統合報告書の国際比較の研究である。日本とオーストラリアの企業の統合報告書の開示内容の比較を行なっており,現在,論文の執筆段階である。今後は,国際会議での発表などを経て,ジャーナルへの投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
企業のアカウンタビリティの動向についての追加の分析が必要であるとともに,これまでの研究成果の発表の作業が必要であるため。
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Research Products
(2 results)