2021 Fiscal Year Annual Research Report
Engineers' acceptance and conflict resolution measures for target costing
Project/Area Number |
18K12905
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Research Institution | SBI Graduate School |
Principal Investigator |
小林 英幸 SBI大学院大学, SBI大学院大学 経営管理研究科, 教授 (20790124)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 原価企画 / 行動的原価企画 / 会計の動詞化 / 原価低減 |
Outline of Annual Research Achievements |
トヨタ自動車で行われてきた原価企画の本質的な強みを、実務担当者へのインタビューの結果などを基に分析した。その結果、従来の主たる研究対象であった経理担当による会計主導の原価企画の側面以上に、エンジニアによる目標原価の達成活動の側面が強いことが明らかになった。我々はこの原価企画のあり方を「行動的原価企画」と呼ぶことにした。行動的原価企画の中心になるのはVE活動をはじめとする原価低減活動である。これは岡野(2003)以来たびたび議論されてきた「会計の動詞化」でもある。トヨタ自動車は会計の動詞化による原価低減を強力に推し進めることによって、百年に一度と言われる自動車産業の変革期に挑もうとしている。そのことを、東富士に建設中のCASEに関する実験都市「ウーブンシティ」の活動に注目しながら、具体的な事例を示して議論した。
上記に関連する論文は、下記の2点である。1.「会計主導の原価企画と行動的原価企画:トヨタの事例から」、加藤典生・小林英幸、『原価計算研究』Vol.45/No.1、PP14-24、2021。2.「トヨタ自動車『ウーブンシティ』に見る、文化編集と会計の動詞化」、小林英幸、『都市と社会』第6号、PP90-99、2022
なお、昨年度までに論文の形にはできなかったが、本田技研工業の原価企画についても並行して研究してきた。本田技研工業でもトヨタ自動車と同様に、行動的原価企画の側面が強く観察される。ただその主たるアクターはエンジニアではなく、調達担当者(バイヤー)である。この点はさらに調査を進め、今年度以降に論文の形でまとめたい。
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Research Products
(3 results)