2018 Fiscal Year Research-status Report
Current situation and issues of elderly services in Japan and China: Focusing on home-based elderly care and long-term care linked to medical care
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18K12923
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
聶 海松 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (10626716)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢者介護サービス / 都市部と農村部 / 持続可能な養老システム / 「医養結合(医療と養老の連携)」政策 / 長期介護医療保険制度 / 高齢化対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国では、国家戦略として「医養結合(医療と養老の連携)」政策や長期介護医療保険制度が試点において試行されているが、実態に則した運用とは乖離したケースも多く、高齢者介護サービスに関する実態の把握が急務となっている。日本においても、少子高齢化への対応は喫緊の課題であり、互いの影響が絶大である両国でのリアルタイムな実証調査は社会科学的に重要な意味を持つ。 持続可能な社会システム構築の実現に向けて、在宅養老を基盤としている日中の両国において、高齢者のニーズおよび地域ごとの特性に応じて、医療と養老を連携するサービスの提供体制を構築するため、本研究では、日中における医療と養老を連携した高齢者介護サービスの需要実態と課題を、実証的な調査研究を通じて明らかにした。さらに政策動向の適合性を検証することにより、日本の経験を参考として中国の国情に適合する高齢者支援のための社会サービス体系の在り方の提言を準備した。 具体的に、中国については、都市部(北京・上海)と農村部(河北省・寧夏自治区)における高齢化社会への対策に関するフィールド調査を実施し、長期介護保険サービスの利用状況と需要実態等に関する調査、介護労働者からみた職場の取り組み状況及び仕事に対する満足度等に関するインタビュー調査を実施した。その成果発表として、学会の招待講演1回、さらに日中の比較について、10月に学会発表2回(うち国際1回)を行った。欧州英文雑誌の執筆も依頼され提出した。日本では、東京都及び環境未来都市・横浜で超高齢化社会への対策に関するフィールド調査を実施し、長期介護保険の利用者を対象に長期介護保険制度の利用状況と需要実態等に関するインタビュー調査、介護労働者を対象に介護労働者からみた職場の取り組み状況及び仕事に対する満足度等に関するインタビュー調査を実施した。またその研究成果として国際学会発表1回、国際学術論文1本がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、中国において平成30年度に長期介護保険制度の試点として上海市を調査地とし、長期介護保険の対象者を対象に長期介護保険サービスの利用状況と需要実態等に関するアンケート調査、介護労働者を対象に介護労働者からみた職場の取り組み状況及び仕事に対する満足度等に関するインタビュー調査を実施することを目標としていました。実際には、これに加えて、都市部(北京)と農村部(河北省・寧夏自治区)における高齢化社会への対策に関するフィールド調査をも実施できた。また、日本においては、平成30年度に東京都を調査地として、長期介護保険の利用者を対象に長期介護保険制度の利用状況と需要実態等に関するインタビュー調査、介護労働者を対象に介護労働者からみた職場の取り組み状況及び仕事に対する満足度等に関するインタビュー調査を実施することを目標としていました。実際には、環境未来都市・横浜で超高齢化社会への対策に関するフィールド調査をも実施できた。 さらに、これらの研究成果を国内・国際学会の発表や論文を通して世界学界に発信した。 以上の理由で、当初の計画以上に進展していると確信した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、中国では医養結合政策に関連する高齢産業の病院・養老施設・企業などを訪問し、生活支援サービス・介護予防医療と介護の連携したサービスの利用実態に関する実態調査、医療従事者と介護関係者を対象に在宅医療連携の組み状況及び仕事に対する満足度等に関するインタビュー調査を実施する。日本では、神奈川県および東京都を調査地として、65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯を対象に医療と介護の連携したサービスの利用状況と需要実態に関する調査、介護労働者を対象に介護労働者からみた職場の取り組み状況及び仕事に対する満足度等に関するインタビュー調査を実施する。また、日中の参考とするため、高齢者の健康予防にどのような取り込みを行われているかについて、米国のクリニック病院と企業を訪問し、その実態調査を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、情報収集・データ分析の謝金として支払う予定でしたが、適任の対象者が該当時期にインフルエンザにかかってしまい、その業務を私が遂行したことで費用が発生しなかったことである。 国際会議の出張費用に充てることに計画している。
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Research Products
(12 results)