2021 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Historical Study of Institutional Change of Arts in 20th Century
Project/Area Number |
18K12935
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
笹島 秀晃 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (30614656)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 美術 / 制度変化 / 社会ネットワーク / 東京 / ロンドン / ニューヨーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀の都市における美術の制度変化を、日英米の三都市(東京・ロンドン・ニューヨーク)を事例とした比較研究を行うことによって明らかにすることが目的であった。美術における制度は、作品の生産・流通・受容の安定的なやり取りを成り立たせる、個人や組織の活動・物質的資源・慣習などのシンボリックな要素からなる。最終年度は、こうした作品の生産をめぐる社会的なネットワークの変化を実証的に検証することを主な活動として行った。 当初の研究計画では、「芸術の制度変化の比較検討と因果分析」を行うことを目指していた。しかし、収集されたデータの特徴や、また研究をすすめる中で新たな分析上の方法論を得たため、当初の計画を超えてより厳密な手法で美術における制度変化を記述することが可能となった。この成果は、2022年に国際学術誌にアクセプトされた"Organizational Account of Symbolic Boundaries in Urban Cultures: Social Network Analysis of New York Art World From 1940 to 1969"という論文で発表される予定である。比較研究の知見は、論文としての成果は出せていないが、成果の一部を国際学会で報告予定である(2022年8月に開催予定の国際社会学会RC21 Conferenceにて、"Alternative space movements in the global sixties: Comparative urban studies of London, Tokyo and New York"という題目で報告予定)。
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