2022 Fiscal Year Annual Research Report
Support network of the elderly in hill rural area
Project/Area Number |
18K12937
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
齋藤 曉子 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (60780187)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / サポート・ネットワーク / 中山間地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中山間地域の地域特性と関連した高齢者のサポート・ネットワークを明らかにするものである。具体的には、次の三つの研究を統合して行う。 「【研究1】高齢者のサポート・ネットワークの地域間比較」では、先行研究や既存のデータから、他地域の高齢者のサポート・ネットワークについて検討する 「【研究2】A市の介護保険制度改正後の制度状況の把握」では、本研究の対象地である島根県A市において、介護保険制度の改正によって高齢者へのフォーマル サポートがどのように変化したのかを、資料収集および自治体や地域の支援団体の関係者へ半構造化インタビュー調査によって明らかにする。最後に「【研究 3】高齢者のサポート・ネットワークの質的検討」では、A市の高齢者のサポート・ネットワークについて半構造化インタビュー調査を行い、 可変的なサポート・ネットワークや当事者の意味づけの背景を探る。 本年度は、「【研究 3】高齢者のサポート・ネットワークの質的検討」として、研究課題となる中山間地域のA市高齢者ソーシャルサポートの変化について検討するため、地域の高齢者サロン担当者および複数の高齢者サロンの代表者への半構造化インタビューを実施した。 調査の結果、コロナ禍で高齢者の対人コミュニケーションの機会が減少し、高齢者サロンのインフォーマルなネットワークが孤立しがちな高齢者(特に単身高齢者)の支援として重要性を増していることが明らかになった。ただし、高齢者サロンが機能するかどうかはコロナ禍以前の活動やキーパーソンの働きかけに依存じており、活動自体が活発でなかったサロンや、キーパーソン不在のサロンにおいては、コロナ禍を契機に活動自体が制限されており支援には至っていなかった。
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