2020 Fiscal Year Research-status Report
Research upon the life management by men in contemporary Japanese society
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18K12940
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
木村 嘉代子 (藤田) 宮城学院女子大学, 生活科学部, 准教授 (90795915)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 男性 / 家事と育児 / ジェンダー平等 / ケア / 男性の家事 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)アンケート調査の実施 昨年度末から今年度にかけて、宮城県を中心として、「家庭における家事の分担に関する調査」として男性の家事と育児の実態と意識を問うアンケート調査を実施した。仙台市内に事業所を持つ会社、官公庁の労働組合を通じて男性の会社員・公務員に調査票を700部配布し任意で回答を依頼した。有効回答数は401で、有効回答率は57%である。これを集計・分析を行った。 2)成果報告と論文化 前年度(2019年度)に実施した、高齢者男性に対して行った、インタビュー調査について結果を分析し今年度の9月に日本家族社会学会(於東北大学)で報告した。タイトルは「高齢男性の家事実践とライフコース-仙台市におけるインタビュー調査より―」である。1)で述べた男性のアンケート調査で得られたデータを用いて、家事や育児をどれだけおこなっているか、またその規定要因について重回帰分析を行った。この研究結果をまとめ宮城学院女子大学の『研究論文集』に論文を執筆し発表した(藤田嘉代子「宮城県における男性の家事・育児遂行の特徴と規定要因―宮城県調査と他調査の比較から―」)。従来行われてきた全国規模の夫婦内の家事育児分担についての調査と比べて、宮城県の男性は家事についても育児についても遂行頻度が高く、「名もなき家事」への認識もある程度見られ、日常生活においてなにがしかの家事をするということがある程度定着しているということがわかった。重回帰分析については、家事と育児については異なる結果となり、家事については相対的資源仮説が否定され、育児についてはその逆となる傾向が見られるなど従来の分析とは異なる示唆的な結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症の流行により学内での業務が過剰となったため研究期間を一年延長した。3年間で当初の計画は完遂できなかったが、2年目にインタビュー調査、3年目にアンケート調査を実施することができたので4年目はそれらの結果を分析し、論文化することに注力したい。またできれば追加のインタビュー調査も行えればと思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は一人で実施しており、そのため、人件費などを使って研究の人的サポートを得たいと思っていた。今年度は研究の作業の一部(アンケートの入力など)を外部委託化できたのはありがたかった。 しかしながら、その経費は私のような規模の小さい研究には高額であり他の経費が圧迫された。研究経費面が十分でないことは課題である。
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Causes of Carryover |
研究を一年延長したため少額残った状態となっている。文房具などを購入する予定である。
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Research Products
(3 results)