2018 Fiscal Year Research-status Report
日韓会談反対運動の社会史―在日朝鮮人社会における生活と「祖国」
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18K12947
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
金 鉉洙 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (10584443)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日韓会談 / 在日朝鮮人 / 生活 / 祖国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の初年度にあたる2018年度には今後の研究を遂行するための土台を作る作業を中心に行った。 その主な内容は、①資料の収集および分析、②関連分野の研究および本研究課題と直結する先行研究の整理、③国際シンポジウムにおける研究報告として整理である。 ①と関連してはまず、日韓両国において公開された日韓会談関連資料の比較検討作業を従来通りに行いつつ、韓国政府が公開した日韓国交正常化関連資料の和訳および資料集の刊行に携わり、同資料集の紹介文を執筆した。そして、ソウル大学中央図書館、韓国国会図書館等への資料調査に行き、韓国政府関連資料の所蔵状況を確認し、韓国政府の在日朝鮮人関連資料を収集してきた。その他に国内における資料収集は、在日青年学生団体関連資料や大村収容所等の関連資料、雑誌新聞資料を中心に収集を行った。 ②と関連しては、日本国内の社会運動や在日朝鮮人の社会運動、在日朝鮮人青年学生運動、大村収容所関連の先行研究の整理作業を行った。 ③と関連しては、本年度に収集した資料の分析を行い、2018年11月には日韓会談研究の最前線で活躍している日韓の研究者らが集まったシンポジウム〈韓日関係研究の新しい地平〉(韓国国民大学日本学研究所主催、韓国ソウル市)にて研究報告を、翌年の2月には日韓の民衆史研究者らが集まった〈第18回日韓民衆史共同ワークショップ 歴史的民主主義3〉(歴史問題研究所(韓国)・アジア民衆史研究会(日本)共催、韓国光州市)にて研究報告を行った。上記のシンポジウムにおいては日韓会談研究や民衆史研究という異なる視座からのアドバイスを頂いた。これらのシンポジウムにおける報告内容は研究論文として2019年度に発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の1年目の計画として立てていた聞き取り調査は出来なかったものの、文字資料の収集は順調であった。 2回にかけた研究報告を準備するためにすでに収集した資料の分析を行う必要があり、聞き取り調査は次年度を回すことにしたが、研究初年度に計画してなかった国際シンポジウムにおける報告などの成果があったことから概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の2年目には、1年目で行った研究報告の内容を論文として発表し、1年目に出来なかった聞き取り調査を行うつもりである。また、収集した資料の分析を引き続き行い、2019年度も研究報告や研究論文の作成に努めながら、当初の研究計画において示していた聞き取り調査のテープ起こしも併行する。
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Causes of Carryover |
年度内に購入したものに対するクレジットカードの明細書の発行と事務的手続き上の問題で年度内での支払いが間に合わなかったので次年度使用額が生じた。支払いの手続きを完了することで次年度使用額はなくなる。
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Research Products
(2 results)