2021 Fiscal Year Research-status Report
日韓会談反対運動の社会史―在日朝鮮人社会における生活と「祖国」
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18K12947
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
金 鉉洙 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (10584443)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在日朝鮮人 / 日韓会談 / 協定永住 / 朝鮮総連 / 韓国民団 / 大村収容所 / 法的地位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、本研究期間を延長した年であった。しかし、相継ぐ新型コロナウイルス感染症の拡大という状況において資料調査や聞き取り調査はやむを得ず自粛し、既存の収集した資料を中心に分析する作業に集中した(前年度に続き、在日朝鮮人運動団体や日朝友好運動団体の機関誌(日朝協会『日本と朝鮮』、社団法人日韓親和会『親和』、朝鮮総連『朝鮮時報』、韓国民団『韓国新聞』)や公開された『国交正常化の記録総説』にある回顧録)。 その他、2020年に朝鮮史研究会関東部会例会で報告した内容の要約を、同研究会の会報(「日韓条約締結後における在日朝鮮人社会—「協定永住」申請をめぐって」『朝鮮史研究会会報』第223号、2021年7月)に掲載した。今後このテーマについてはより研究を深め、論文として発表する予定である。なお、2019年に韓国で出版された東北亜歴史財団韓日歴史問題研究所編『韓日協定と韓日関係ー1965年体制は克服可能かー』(東北亜歴史財団、2019)に収録されたいくつかの研究論文が、吉澤文寿編『日韓会談研究のフロンティア—「1965年体制」への多角的アプローチ』(社会評論社、2021年8月)として日本でも出版された。本書には拙著「韓日会談中短期における大村収容所問題に対する日本政府の対応」を日本語に訳し、収録して頂いた。 そして、韓国大使館の後援を受け、『新内閣成立後の日韓関係の展望と課題ー歴史学の立場からー』(2021年11月)というシンポジウムを企画した。ここでは①徴用工問題、②歴史教育・教科書問題、③ドイツの戦後経験という三つのテーマについて報告してもらった。歴史学を専門とする若手研究者を中心に活発な議論が行われ、多くの刺激や研究の視野を広げる有益な経験となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度も世界的なパンデミックの影響で海外への資料調査及び国内(地方)における資料調査・聞き取り調査を自粛した。そのため、2021年度に 計画していた研究活動を2022年度に再延長することにした(本研究課題の研究期間の再延長を申し込み、その承認を得た。)。ただし、限れた研究活動の範囲内ではあったが、共著の出版や文献資料の分析作業も着実に進んでいることから研究目標は十分達成出来る見込みであることからやや 遅れていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度を今研究課題の最終年度とし、今後は新型コロナウイルス感染症の拡大等にこれ以上影響されない方向で研究をまとめていきたい。つまり、今年度も聞き取り調査が厳しくなった場合は、政府関係(公安資料等)の資料や回顧録、聞き取り集、小説などの文字資料を丹念に精査しながら、引き続きその成果を研究発表や論文として発表していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響による研究期間の再延長により次年度使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)