2018 Fiscal Year Research-status Report
Changes in familialism from the viewpoint of hikikomori experience in 2000s
Project/Area Number |
18K12949
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
関水 徹平 立正大学, 社会福祉学部, 准教授 (40547634)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ひきこもり経験 / ライフヒストリー / ライフストーリー / 家族主義 / 開発主義体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、ひきこもり問題から家族主義のあり方を照射するべく、ひきこもり経験者4名、ひきこもり状態にある子をもつ親6名へのインタビュー調査を実施した。ひきこもる子をもつ親のライフヒストリーからは、親の生き方・家族形成が、高度経済成長期の男性稼ぎ主モデルに沿ったものであること、そのような親のライフヒストリーが子との関わりを大きく規定していることが見えてきた。研究成果は、学会誌に投稿し、次年度に査読論文の形で公表したいと考えている。現時点での成果の一端については、「ひきこもり経験にみる家族主義の課題と当事者活動の意義」として『青少年問題研究』(673号、2019年1月刊行)に掲載された。 また、本研究がアプローチの一つとしているライフストーリー研究法についての方法論的検討をおこない、その方法論的特徴と意義を明らかにした。2度の国際学会(4th Conference of The International Alfred Schutz Circle for Phenomenology and Interpretive Social Science, 2018年5月5日, コンスタンツ大学、および The Society for Phenomenology and the Human Sciences, 2018年10月21日, ペンシルヴァニア州立大学)での報告・議論を経て、「ライフストーリー研究と複数の事実性-学知と日常知を問い直す方法論としての可能性」として『知の社会学の可能性』(栗原亘・関水徹平・大黒屋貴稔編著、2019年3月刊行、学文社)に掲載された。これらは本研究の副産物的な成果であるが、本研究の推進に資するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ひきこもり状態の子をもつ親6名の調査協力を得られたことで、本研究を進める具体的なデータが集まりつつあり、分析の見通しも立ってきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきこもり状態の子をもつ親の立場の方々には、分析結果をフィードバックしつつ、ひきつづき調査への協力をお願いする。来年度には現時点での研究成果を論文の形で公表する予定である。
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Causes of Carryover |
購入する予定だった図書を年度内に購入できなかったため。次年度購入する。
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