2021 Fiscal Year Research-status Report
U.S. Army's Rest Areas and Tourism Development in the Asian Countries during the Cold War
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18K12953
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| Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
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Principal Investigator |
阿部 純一郎 椙山女学園大学, 文化情報学部, 准教授 (40612916)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 米軍 / 観光 / 除隊・復員 / 余暇・娯楽政策 / 占領 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は以下の３点である。
【1】占領期日本において米軍兵士に提供された大量の娯楽施設や余暇プログラムの意味について、米太平洋陸軍（第八軍・第六軍）の報告書や軍発行の新聞記事（『星条旗新聞』）をもとに分析した。米軍は占領初期から日本社会のなかで盤石の体制を築いていたわけではない。占領初期には、戦争終結に伴う帰国願望の高まり、復員計画の遅れや不公平性に対する不満の蔓延など、米軍内部で士気の低下が深刻化しており、こうした軍内部の不平・不満を解消する手段として、兵士の余暇時間を満たす膨大なレクリエーションが必要とされた。以上の知見をまとめて共著書として刊行した。
【2】占領期は日本政府が費用の大部分を負担していた米軍用の娯楽施設が、占領終了後、その位置づけや運営方法をどのように変化させてきたかについて、国会議事録、日本政府の見解、アメリカの議会および関連委員会の審議内容をもとに整理・分析した。娯楽施設のなかでも特に米軍用ゴルフ場の存続については、その是非が国会審議の場でたびたび問題視されながらも、根本的な中止には至らず今日に至っている。
【3】昨年度デジタル化作業を終えた米軍保養地「竹島レストセンター」（愛知県蒲郡）の写真について、撮影場所・撮影時期・対象人物の特定を進めた。収集した写真の多くは撮影情報が記されていないものだが、同一の被写体を手がかりに写真を照合することで、撮影時期・対象人物の特定が進んだ。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年度も現地での資料収集・インタビューは計画どおり進まなかった。そのため、すでに入手した米軍関係文書（GHQ/SCAP、太平洋陸軍、極東軍）や占領期に撮影された写真の整理・分析に力を入れた。また、占領終了後の米軍用娯楽施設の運営方法の変遷や、米軍用娯楽施設の存続をめぐる日米の見解を整理することができた。資料分析が大幅に進展したことを踏まえ、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
国内外の図書館・資料館での資料収集を再開するとともに、すでに収集した資料の整理・分析、研究成果の公開作業を中心に行なう。本年度は研究最終年度として、既出の論文・発表も踏まえて、戦後日本における米軍保養地の運営体制の変遷や、米軍用娯楽施設が地域社会や観光産業に与えた影響について評価する。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、現地調査（資料収集、インタビュー調査）を断念し、参加予定の会議もオンライン開催に移行したため、旅費支出が削減された。2022年度は現地調査や研究成果の発表のための旅費に使用する計画である。
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