2019 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルメディアの子どもの読書環境への影響についての文化社会学的研究
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18K12956
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
團 康晃 大阪経済大学, 人間科学部, 講師 (90800962)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 読書経験 / メディア論 / ソーシャルメディア / メディア環境 / 相互行為 / メディアミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年6月9日に実施された関東社会学会のテーマ部会A「はたらく経験へのアプローチ ―メディアをめぐるワーク:制作から受容まで―」にて、「コメント欄の相互行為分析 ―小説投稿サイトにおける読者コメントと投稿者の本文修正に注目して―」というタイトルの報告を行った。これはソーシャルメディア上での小説執筆実践における感想欄でのやりとりに注目したものであり、ソーシャルメディア上で生み出される作品の特徴の一端を明らかにしたものである。この報告を踏まえ、2020年11月に刊行予定の『年報社会学論集』に特集原稿「協働としてのオンライン小説~~オンライン小説投稿サイトの感想欄に注目して」が掲載予定である。 また、秋谷直矩氏・松井広志氏と共編著の『楽しみの技法~~趣味実践の社会学』に「可視化される読者共同体:オンライン小説投稿サイトにおける感想欄の相互行為分析」というタイトルの論文を執筆した。これも、先の論考と同様に、ソーシャルメディア上での小説執筆実践の特徴について論じたものである。この論考は、2020年秋に出版予定である。また、これら二つの論考においては、ソーシャルメディアが普及する中での小説執筆と小説を読むことの環境の変化についても論じている。 最後に、2019年には既存の子どもの読書調査データを用いて、子どもの読書におけるメディアミックス展開作品の存在感がどのように変化してきたのかを明らかにするための、データの作成を行った。これは既存の調査データのほとんどを整理し直することができたので、2020年に具体的な分析と、論文化を目指すことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、①行政的側面から子どもと書籍が出会うための読書制度の解明、②書籍の内容の側面から子どもが読む書籍の内容の特徴の解明、そして③そうした人気書籍がソーシャルメディアで執筆され、出版されていく生産過程の解明という、三つの方針から展開されている。 2019年度は主に③にあたる、ソーシャルメディア上での小説執筆実践についての二つの論考を執筆し、2020年度に公刊する準備を整えることができた。 ①についても論文執筆が進んでおり、投稿の準備ができており、2020年度に投稿予定となる。また、②については、2020年度に分析をすべき戦後の子どもの読書環境および読書経験において、具体的に読まれてきたコンテンツの推移をみるためのデータを作成することができた。2020年度は主に②の論文化を進めることで、当初の計画である、①から③についての研究を行うことができると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に作成したデータを用いて、分析を進め、②書籍の内容の側面から子どもが読む書籍の内容の特徴の解明を目指していく。また、分析についての学会での報告を計画している。また、学会などの中止が相次いでいるため、学会での報告が難しい場合、論文投稿に切り替えて、研究成果の公刊を目指したい。
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Causes of Carryover |
2019年度は計画における③の研究を中心に展開した結果、学会報告と論文執筆化のために時間がかかり、①や②に必要なフィールドワークや学会報告を行うことが難しかったため、使用額に差が生じた。
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Research Products
(3 results)