2018 Fiscal Year Research-status Report
青年期に及ぶ地域コホートデータを活用した学校不適応への早期支援プログラムの開発
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18K12963
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
磯 笑子 (田中笑子) 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (40727278)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コホート研究 / 生涯発達 / コミュニティ・エンパワメント / ウェルビーイング / 次世代育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学校不適応などの子どものウエルビーイングに影響する要因を踏まえ、地域との協働による早期支援プログラム開発と検証を行う。具体的に、本年度は、早期支援プログラム開発に向けた根拠の提示に取組んだ。 本年度はまず、幼児期の育児環境、貧困、虐待、仲間関係、気になる行動、地域とのつながりなどの予測される影響要因について、発達や、学童期以降の学校不適応に及ぼす複合的な影響について、経年的な多変量解析により実証を試みた。分析結果をまとめ、封数の学会および学術雑誌に投稿し研究成果の一部を公表済みである。 また、海外のコホート研究の体系的レビューを実施し、エビデンステーブルの作成に取り組んだ。早期支援プログラムの開発と実施に向けて、実際に調査や介入支援を行っている研究機関および実践機関を訪問し、フィールド調査を実施し、早期支援プログラム開発のための情報収集を行った。 特に、青年期に及ぶ精神的健康に焦点をあて、英国のコホート研究および介入研究について学ぶため、研究会議を開催し、本研究で収集すべき情報や解析手法などを中心に、英国ロンドン大学およびキングスカレッジロンドンの研究者、国内の研究および実践機関の専門職と研究討議を行い、今後の研究デザインの修正と国際共同に関して検討を行った。 さらに、調査協力研究施設および自治体との調整を行い、研究計画実施に向けた内諾を得るとともに、子育て支援に携わる専門職との協働により、早期支援プログラムを開発するため、支援ニーズと課題を明確化するための予備調査を実施した。子育て支援に携わる専門職との協働によるプログラム開発に向けた予備調査の実施に加え、質的研究により、有効な早期支援に関する実践事例を蓄積、類型化に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、早期支援プログラム開発に向けた根拠の提示として、1)幼児期の育児環境、貧困、虐待、仲間関係、気になる行動、地域とのつながりなどの予測される影響要因について関する経年分析 2)海外のコホート研究の体系的レビューの実施によるエビデンステーブルの作成3)早期支援プログラムの開発と実施に向けたフィールド調査および情報収集を予定通り行うことができた。さらに、調査協力研究施設および自治体との調整を行い、研究計画実施に向けた内諾を得るとともに、子育て支援に携わる専門職との協働によるプログラム開発に向けた予備調査の実施に加え、質的研究により、有効な早期支援に関する実践事例を蓄積、類型化し、早期支援プログラムを開発する段階に進んでおり、当初の計画以上に順調に進展している。 特に、青年期に及ぶ精神的健康に焦点をあてた情報収集と研究討議については、英国ロンドン大学およびキングスカレッジロンドンの研究者と共同して研究会議を開催することにより、英国のコホート研究の知見を取り入れ、本研究を国際共同研究として継続発展させられる可能性が高まった。コホート研究および介入研究の詳細を学び、特にコホートデータを使用して文化比較を行うための統計手法の本研究への応用可能性について、第一線の研究者と議論する機会を得たことにより、本研究における解析手法などを中心に、研究デザインの改良と国内外のネットワーキング構築に関する大きな成果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に引き続き、早期支援プログラム開発に向けた根拠を整理し、論文として成果公表を質的研究により、有効な早期支援に関する実践事例を蓄積、類型化する。子育て支援に携わる専門職との協働により、早期支援プログラムを開発、実施し、プロセス評価を行う予定である。 また、英国キングスカレッジロンドンをはじめ、国内外の共同研究機関を訪問し、コホート研究連携を主眼とした国際ワークショップを開催し、国内外のネットワーキング構築を促進することにより、プロジェクト遂行を推進し、研究発展を目指していく。
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Causes of Carryover |
今年度、訪問予定であった英国の研究機関及び実践機関訪問について、先方の都合により、次年度に変更となったため。次年度に英国での成果発表、研究会議およびフィールド調査のため予定通り使用予定である。
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Research Products
(12 results)