2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Historical Study on the Practices of Prisons and Ex-offender Rehabilitation Facilities in the Late Meiji Period
Project/Area Number |
18K12966
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
江連 崇 名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (20725022)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 更生保護 / 近代日本 / 監獄 / 教誨 / 社会事業史 / 社会福祉史 / 出獄人保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、申請時の段階では2018年度、2019年度で収集した監獄・出獄人保護関係資料等の分析し、学会等での発表を予定していたが、新型コロナウィルスの影響で、資料調査が中断してしまい、十分な資料が収集できず、当初目標としていた実践についての総合的な分析、言及はできなかった。ただし、収集済みの資料を元に、社会事業史研究における更生保護史の枠組みの捉え直しと、本分野における第一人者である吉田久一の研究に関する分析を行い、①学会発表1件、②論文刊行1件をすることができた。これらの研究成果は、限定的ではあるが、本研究の目的である近代日本における監獄・出獄人保護の実践史研究において大きな意義をもつものと考える。 ①については、東京社会福祉史研究会において、「監獄教誨・出獄人保護からみる近代日本の『罪』と『ケア』ー「更生」実践史研究の到達点と社会福祉史研究」と題した発表を行った。ここでは、「更生」実践史が社会福祉史研究の分野においてこれまでどのように取り扱われてきたか考察を行い、さらに近年多くの研究成果がだされている近代仏教史研究の視点を用いてそれら社会福祉史研究を批判的に検討し、今後の社会福祉史研究の課題について言及した。 ②については2018年に口頭発表した「監獄教誨からみる吉田史学の『福祉と宗教』」をさらに深め、「監獄教誨からみる吉田久一と『近代主義』」としたものが『吉田久一とその時代ー仏教史と社会事業史の探求』(法藏館)に収録された。この論文では、研究課題のもっとも大きなテーマの一つである監獄教誨を通して、本分野の第一人者である吉田久一の「近代主義」について考察をおこなった。
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Research Products
(2 results)