2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of social work practice methods and reflective practice-assisted tool based on the theory of reflective practice
Project/Area Number |
18K12968
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
加藤 由衣 高知県立大学, 社会福祉学部, 講師 (30611991)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 省察的実践 / 省察ツール / eスキャナー / クリティカル / ソーシャルワーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ソーシャルワーク実践において近年重視されている省察的実践への着目から、省察的実践の理論に基づくソーシャルワーク実践方法論の構築を目的として研究を進めた。研究期間2年目後半からの新型コロナウイルス感染症の発生及び感染拡大により、当初予定していた質的研究が実施できなくなったため、大幅に研究計画を修正せざるを得なかった。そのため、理論研究を中心に、①ソーシャルワークにおける省察的実践の理論的特性の検討、②理論的特性をふまえた省察的実践の構成指標の整理、③構成指標をもとにした省察的実践支援ツールの具現化、④省察的実践支援ツールの検証、を行ってきた。 特に研究最終年度の2023年度は、これまで開発してきたeスキャナーを活用した省察的実践支援ツール(eスキャナー省察的実践モデル)について、モデルの構成や内容、質問項目を精査しながら、ピアチェックにより検証作業を行った。具体的に、eスキャナー省察的実践モデルは、省察的実践の全体像を領域、属性、構成内容、因子と具現化し、各因子の質問項目を設定することで、ソーシャルワーカーがそれに回答しながら自身の省察的実践家としての現状認識を促進するツールである。この制作したモデルについてピアチェックを実施して内容の妥当性、質問項目やグラフ化の分かりやすさ、ツールの操作性などを検討し、精査したうえでモデルを完成させた。 eスキャナー省察的実践モデルをとおして、ソーシャルワーカーが省察的実践家としての自己を振り返ったり、客観視したりするとともに、省察的実践家としての課題や改善点の発見を支援することができる。これらの研究成果から、これまで曖昧さが指摘されてきた省察的実践について、可視化しながらソーシャルワーカーが省察的実践家としての現状認識や課題発見を支援することが可能になったと考えている。
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