2018 Fiscal Year Research-status Report
Establish the interdisciplinary team for people with cognitive dysfunctions in the community setting
Project/Area Number |
18K12973
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
原 麻理子 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 講師 (40720884)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高次脳機能障害 / 連携 / 地域 / リハビリテーション / 作業療法 / 生活 / 就労 / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
高次脳機能障害者は,その障害特徴から障がい福祉サービスや介護保険サービスにつながりにくく,他の障害と比べて利用が少ない.また各サービス事業所の担当者は「見えない障害」とされる高次脳機能障害を持つ対象者の支援に難渋している.課題として高次脳機能障害の専門的知識を持つ医療機関と退院後サービス事業所の連携不足があげられる.そこで本研究では医療機関と退院後サービス事業所の連携に関する現状と具体的ニーズを調査する.そして結果をもとに情報交換用紙を作成し,試用による連携システム構築を目指す. 本年度は研究対象とする退院後サービス事業所選定のため,障がい福祉サービス事業所(就労移行支援事業所,就労継続支援A型およびB型事業所)に予備調査を行った.高次脳機能障害者支援の経験があり,調査に同意した19事業所に対し,電話によるインタビューと郵送による質問紙調査を行った.うち5事業所に対しては訪問によるインタビューも行った.内容は,①他障害(精神,身体,知的・発達)と比べた高次脳機能障害の印象,②高次脳機能障害者支援の実際,③医療機関との連携の現状,④医療機関以外との連携の現状,とした.主な結果は以下のとおりであった.他の障害(精神,身体,知的・発達)と比べて障害内容がわかりにくい:53%.他の障害よりも支援が難しい:53%.他の障害と比べて症状が多様である:79%.医療機関と連携したことはない:47%.一方で,84%が医療機関との積極的な連携を望んでおり,「医療的視点からの情報が欲しい」「専門的知識に基いた助言が欲しい」「連携したいが敷居が高い」「情報共有が行える体制があると良い」といった意見があった. またスウェーデンの就労支援事業所,障害者在宅支援企業,グループホーム,病院,リハビリテーション施設を訪問し,スウェーデンと日本における高次脳機能障害者の支援体制について協議した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
30年度は高次脳機能障害支援拠点機関,回復期リハビリテーション病院,退院後サービス事業所へ調査を行う予定としていた.しかし退院後サービス事業所数は近年,急激に増加している.そのためまずは研究対象とする退院後サービス事業所を絞り込む必要が生じた.より調査対象と項目が増えたことによって遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
30年度の退院後サービス事業所に対する予備調査結果を参考として,インタビュー調査と質問紙調査先を決定する.そしてまずは,退院後サービス事業所が最も多く連携していた高次脳機能障害支援拠点機関と回復期リハビリテーション病院に対し,医療機関と退院後サービス事業所との連携に関する現状や課題についてインタビュー調査を行う.この結果に基づき,医療機関と退院後サービス事業所に対する質問票を作成する.完成した質問票を用いて,高次脳機能障害者支援の経験のある医療機関と退院後サービス事業所に対し,自施設の状況と連携の具体的ニーズに関する調査を行う.
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Causes of Carryover |
初年度に予定していた調査の全ては実施できず,関連経費の一部が未使用となった. 次年度は,高次脳機能障害支援拠点機関,医療機関,退院後サービス事業所に対してインタビュー調査や質問紙調査を行う.そのための謝金,郵送料,交通費,印刷代などが必要となる.
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Research Products
(9 results)