2020 Fiscal Year Research-status Report
Establish the interdisciplinary team for people with cognitive dysfunctions in the community setting
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18K12973
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
原 麻理子 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (40720884)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高次脳機能障害 / 連携 / 地域 / リハビリテーション / 脳損傷 / 生活支援 / 就労支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
全障害を支援対象とする介護保険サービス事業所や障害福祉サービス事業所は、「見えにくい」高次脳機能障害者の支援に難渋している。そして高次脳機能障害の専門的知識を持つ医療機関との情報共有や連携を求めている。 今年度、高次脳機能障害者の支援経験がある退院後サービス事業所(介護保険サービス事業所と障害福祉サービス事業所)のうち、調査協力の承諾を得た19の事業所(自立訓練事業所 2、地域活動支援センター 1、就労支援事業所 6、基幹相談支援センター 4、居宅介護支援事業所 6)の職員各1名、計19名に高次脳機能障害者支援の現状と医療機関との連携に関する質問紙調査を行った。医療機関からの提供が少なく退院後サービス事業所の要望が多い情報は「避けた方がいい活動(仕事、家事、趣味等)」であった。また「対象者について医療機関へ問い合わせをしたいと思うか」という質問に対し、42%が「常に問い合わせをしたい」、47%が「時々問い合わせをしたい」と回答した。さらに「医療機関から要望があれば、対象者のその後について報告できるか」という質問に対し、47%が「全例報告可」、37%が「必要性が高い例のみ報告可」と回答した。 また14の病院に所属する42人のリハビリテーション専門職にも高次脳機能障害者支援の現状と退院後サービス事業所との連携に関する質問紙調査を行った。回答したリハビリテーション専門職の23.8%は高次脳機能障害支援拠点機関がどこか知らなかった。そして66.7%が「最も多く利用する退院後サービスは医療機関の外来」と回答した。また35.7%は退院後サービス事業所へ紹介後、対象者の様子を聞いたことがなかった。一方で、全員が対象者の紹介後の様子について連絡して欲しいと回答した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、調査協力の承諾を得た19の介護保険サービス事業所と障害福祉サービス事業所の職員19名に高次脳機能障害者支援の現状と医療機関との連携に関する質問紙調査を行った。また14の病院に所属する42人のリハビリテーション専門職にも高次脳機能障害者支援の現状と退院後サービス事業所との連携に関する質問紙調査を行った。 当初の予定では早期に調査結果を回収し、情報交換用紙試案を作成、試用依頼まで行う予定であった。しかし調査対象の医療機関、介護保険サービス事業所、障害福祉サービス事業所とも、新型コロナウイルス感染症拡大の対応に追われていた。そのため調査協力の見送りや検討に時間を要するケースが多くみられた。さらに、調査協力の承諾を得た後も、当初の回答期限から数ヶ月遅れるケースが続出した。そのために今年度は情報交換用紙の試用まで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は懸念される。これに伴い対象者やその家族への支援の在り方、他施設との連携が以前と変化している話が聞かれる。そのため「情報交換用紙を試用するケースがないかもしれない」との話も出ており、試用するケースがない場合は、摸擬的試用を依頼し、医療機関や退院後サービス事業所、双方の意見を集約する調査も含めることとする。この変更の可能性については、調査協力者へ説明し、調査協力に対する承諾を得ていることと、前回の調査で回答方法の要領を得ていることから、今年度よりも調査は進む見込みである。回答が遅れる場合は、電話連絡等の直接対話により調査を進める方法も検討する。 以上について、研究期間を1年延長して実施する。
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Causes of Carryover |
当初は情報交換用紙試案を作成し、試用依頼まで行う予定であった。これに対する謝礼、郵送料、印刷代、交通費などの使用を見込んでいた。しかし新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、本年度は医療機関と退院後サービス事業所の連携に関する現状とニーズに対する質問紙調査までとなった。情報交換用紙試案の試用依頼まで至っていない。そのため当初予定していた額よりも少ない結果となった。 次年度は、情報交換用紙試用および試用結果集約に関する謝礼、郵送料、印刷代、交通費などが必要となる。
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Research Products
(10 results)