2018 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the Formation of Residents Initiatives through "Employment" in their Neighborhood
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18K12986
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
仁科 伸子 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30707683)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コミュニティ・オーガニゼーション / 貧困 / 就労 / 失業 / コミュニティ・オーガナイザー / シカゴ / 中間支援組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近隣地域再生においてコミュニティオーガニゼーションが導入している「就労」プログラムについての基礎的研究を行うものである。シカゴ市内に立地する36の近隣地域の再生プログラムに、アクティベーションやワークフェアなどをはじめとする就労プログラムが導入されている。これらのプログラムとその実施状況と成果について情報収集し、社会福祉援助方法論の観点から分析し、住民主体化における就労支援の位置づけについて明らかにするものである。シカゴの近隣地域では、失業は大きな課題である。産業構造の転換によるブルーカラー層の男性の失業が大量に発生し、地域の貧困や治安の悪化に影響を与えてきた。これに伴った更生者の就業問題、未婚で子どものいる女性の長期的な失業が課題とされてきた。このために就労支援や働く場の確保は近隣地域開発でも重視され、就労支援プログラムが多様に展開してきている。近隣地域を対象とした社会福祉援助方法論として、住民の主体化や参加を実現するための方法や理論が研究されてきた。本研究では、「就労」が導入され、雇用というスタイルの住民の参加や主体化、住民のエンパワメントが実現されてきたと同時に、地域問題解決のツールとしても活用されているという点に着目して、社会福祉援助論的な観点から研究を行う。 この調査の結果、先進的な取り組みを実施しているコミュニティオーガニゼーション及び、シカゴ市内におけるコミュニティオーガニゼーションの取り組みの全体像を把握した。(1)中間就労や就業支援をコミュニティ再生プログラムに導入する、(2)社会的に排除されているグループに役割を付与する、(3)教育プログラムと就業支援を一体的に進める、(4)ビジネスインキュベーション等によって就労の場を開発する、(5)近隣地域内に企業誘致、(6)公的主体からの事業委託で雇用促進、(7)スキルアップ支援などが確認できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究費を得たことによって、年度期間中2回の渡航を実施できた。また、中間支援組織など各コミュニティの活動を熟知しているキーパーソンに出会うことができた。これによって、ヒアリングや資料収集などの調査が順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、中間支援組織で入手した情報を元に個別のコミュニティの調査を実施する。
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Causes of Carryover |
2019年3月に2週間シカゴに出張した際、ホテル代等の請求が年度を超したため残金が出たように見えるが、実際には年度内に使い切っている。
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