2022 Fiscal Year Research-status Report
生活困難状況にある若者への離家支援としての共同生活型支援の実態及び有効性の検討
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18K13012
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
岡部 茜 大谷大学, 社会学部, 講師 (20802870)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 若者支援 / ひきこもり / 居住支援 / 若者 / 共同生活 / 居住福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の各地でおこなわれている居住支援を伴う若者支援の実態を把握するとともに、その有効性を検証することを目的としている。 2022年度は、2018年度より実施してきた調査データを分析し、成果をまとめた。まず、2022年5月発行の『部落問題研究』に、若者を対象にした居住支援をおこなっている活動に参加している若者の状況を整理したものを論文として投稿した。これは2021年度に第59回部落問題研究者全国集会で口頭報告したものを修正して論文化したもので、ひきこもりやニートと呼ばれるような若者だけでなく、社会的養護を経験した若者や刑余者など、さまざまな状況にある若者が居住支援を利用していることを明らかにした。 また、若者の居住支援団体がどのように支援をおこなっているかをまとめた調査報告を『社会福祉学』に投稿し、査読審査のうえ受理されたものが『社会福祉学」 63(2)に掲載された。本調査報告では、居住場所の形式や入居に際しての規制などを明らかにした。 さらに、若者への居住支援をおこなっている団体の一つに一定期間住み込み、そこでのフィールドワークから共同生活における「個的領域」の確保について検討したものを論文化し、『大谷学報』 102(1)に投稿し、掲載された。ここでは、共同生活という場を親密圏として検討し、そのなかで住人である若者同士がどのように互いに支え合い、ときに関係性に縛られているのか、個的な領域を確保するためのどのような工夫があるのかについて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の影響をうけ、予定していたインタビューやフィールドワークを中止せざるをえなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度として、これまで得られた調査データの分析を完了させる。また、必要に応じて追加調査を実施する。
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Causes of Carryover |
covid-19の影響により調査実施に遅れが生じたため、延長申請をおこなった。 2023年度に追加調査を実施し、分析および成果報告を完了する予定である。経費は追加調査旅費やテープ起こし謝金、研究会実施に際しての登壇者への謝金等に使用する。
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