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2020 Fiscal Year Research-status Report

メタボローム解析技術に基づいた魚肉の新たな品質評価法の実用化に向けた基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 18K13019
Research InstitutionPrefectural University of Hiroshima

Principal Investigator

馬渕 良太  県立広島大学, 生物資源科学部, 准教授 (00632671)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords加熱 / 長期貯蔵 / 魚種差 / 食品衛生 / 殺菌条件 / 蒸し / 閾値 / 調理加工
Outline of Annual Research Achievements

本年度(3年目)は、「貯蔵による成分プロファイル変化の魚種差の解析」の試料調製を行い、4年目計画であった「調理加工の影響」について一部前倒して実施した。
まず、「貯蔵による成分プロファイル変化の魚種差の解析」については、マサバ、シロサケ、マガレイ、サクラマスをモデルに各魚肉を5℃で貯蔵し、0,1,3,7,14,21,28日にそれぞれサンプリングした。現在、サンプリングした試料について解析を進めているところである。一方、「調理加工の影響」については、、蒸し加熱をモデルに大きく下記3つの実験を行った(一部は次年度実施)。①食品衛生学的な殺菌を目的とした条件での加熱、②加熱によって成分プロファイルが変化する閾値の解析、③加熱による影響の魚種差の検討である。
①養殖ブリをモデルに実験を行った。加熱はスチームコンベクションオーブンで、(1)中心温度85℃到達後90秒間温度保持(ノロウイルスの感染性を失活)、(2)中心温度75℃到達後60秒間温度保持(食中毒菌を死滅させる)、(3)庫内設定温度を63℃とし、30分間加熱(低温長時間殺菌)とした。加熱後、普通肉と血合肉に分け、それぞれGC-MSメタボロミクスに供した。その結果、いずれの条件も未加熱と比較し統計的に有意な成分プロファイル変化は認められなかった。そのため、大量調理施設や加工品工場等で実施されるような条件では魚肉の一次代謝成分へは影響を与えないことが明らかとなった。
②①で使用した未加熱の魚肉を使用し、どの程度の加熱条件で一次代謝成分に影響を与えるのか検討した。その結果、100℃30分間以上の加熱で成分プロファイルが有意に変化した。以上のことから短期間の加熱であれば、魚肉の一次代謝成分には影響を与えない可能性が高いことが明らかとなった。現在、③の魚種差について解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度(3年目)は、2年目に実施した「低温長期貯蔵による成分プロファイル変化の解析」に引き続き、長期貯蔵による成分プロファイル変化の魚種の違いへの影響について検討する計画であった。しかしながら、年度の前半は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、所属施設の入構制限等の影響で実験を行うことが困難であった。そのため、効率良く実験を進めるため、年度の後半から次年度(4年目)に実施予定であった「調理加工の影響」についての実験を前倒し実施することとした。そのため、研究費についても一部「前倒し請求」を行った。そのため、年度の後半は、本年度の前半に実施予定であった試料調製(貯蔵試験)と4年目実施予定であった「調理加工の影響」を並行して行った。貯蔵試験の試料調製については完了し、解析を現在実施中であり研究期間終了までに余裕を持って完了することが可能なスケジュールである。一方、「調理加工の影響」についても計画していた実験はある程度完了したため、4年目は加熱による魚種差の違いについて実施する。以上のように本研究は順調に進んでいるため、区分を(2)おおむね順調に進展している。にした。

Strategy for Future Research Activity

次年度(4年目)は、本研究の最終年度である。そのため、当初計画していた内容を確実に実施する必要がある。「研究実績の概要」及び「現在までの進捗状況」で述べた通り、実験は順調に進んでいる。4年目に実施する内容は、①貯蔵試験(魚種差)で調製した試料の解析、②加熱による影響(魚種差)の2つである。現在も順調に実験を進めており、最終年度の前半には解析が完了する予定である。そのため、年度の後半で研究全体の総括をし、本研究で明らかとなった成果及び課題を抽出し、まとめあげる。

Causes of Carryover

最終年度(次年度:4年目)の計画を3年目(本年度)に前倒し実施したため、「前倒し支払い請求」を行ったが、想定よりも試料調製に予算がかからなかったため、わずかに次年度使用額が生じた。生じた次年度使用額は、次年度に実施する分析等で使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Effects of different heating conditions on the texture and extracts of the meat from each part of the yellowtail Seriola quinqueradiata2020

    • Author(s)
      Furuta Ayumi、Mabuchi Ryota、Tanimoto Shota
    • Journal Title

      Fisheries Science

      Volume: 86 Pages: 693~700

    • DOI

      10.1007/s12562-020-01426-0

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Antioxidant Activity and Taste-active Component Distribution in the Bran Layer of Rice Grain2020

    • Author(s)
      Tanimoto Shota、Kondo Rumi、Mabuchi Ryota、Watanabe Eiko、Nobayashi Kazuo、Fujita Yoshikazu
    • Journal Title

      Food Science and Technology Research

      Volume: 26 Pages: 855~862

    • DOI

      10.3136/fstr.26.855

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 食品衛生の観点から設定した殺菌条件がブリ肉のトリメチルアミン生成に及ぼす影響2021

    • Author(s)
      向島佳織, 濱川祐実, 岡田祥子, 内山真希, 馬渕良太, 古田歩, 谷本昌太
    • Organizer
      令和3年度日本水産学会春季大会
  • [Presentation] 氷蔵したマダイ肉の生菌数、TBARSおよび揮発性成分の変化2021

    • Author(s)
      石津信太, 近藤美裕貴,馬渕良太, 古田歩,岡田玄也, 谷本昌太
    • Organizer
      令和3年度日本水産学会春季大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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