2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a supply system for functional components obtained by oxidation of polyphenols, oriented to food use.
Project/Area Number |
18K13023
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山口 勇将 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (40804068)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポリフェノール / 電解酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品成分の酸化によって得られる有用生成物を、効率的かつ安全に供給するシステムの構築に向けて検討を行った。モデル反応としてポリフェノールのカップリング反応を採用した。本反応で得られるカップリング生成物はin vitroにおいて痛風の予防効果があると報告されている。まず、モデル反応の評価系を確立するために当該生成物の標準品を既報の従来法により得ることとした。1H NMR解析により生成物の確認はできたものの、従来法ではポリフェノールの酸化工程で望まない副生成物が一定量以上生成してしまい煩雑な精製工程が必要であることがわかった。一方で、電気化学的な手法により本反応を進めると、副反応を抑制しつつ生成物を効率的に得ることに成功した。本手法では、煩雑な精製操作を必要せず簡便な操作によって高純度の生成物を得ることができた。また、本手法は共通の骨格を持った様々なポリフェノールカップリング生成物の合成に適応可能であった。 続いて得られた生成物の生体利用性を検討した。この生成物は腸管から吸収され、目的の器官に移行して機能することが期待されているため、小腸からの吸収性を検討した。ヒト小腸モデル細胞となるCaco-2細胞を用いて透過性試験を行ったところ、カップリング生成物が管腔側から基底膜側へ移行することが確認された。この生成物は他のポリフェノールと同様に吸収性は高くはないものの、小腸から血中へ移行することが示唆された。 本研究では、ポリフェノールの酸化によって生成する化合物を機能評価するうえで、電気化学的な合成手法が有効であることが示された。
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