2023 Fiscal Year Annual Research Report
Food and nutrition education focused on the diversity of intestinal microbiota in Japanese children
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18K13025
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
柴田 満 畿央大学, 健康科学部, 助教 (80460939)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼稚園児 / 腸内細菌叢 / 食育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本の就学前4-5歳児の腸内細菌叢と食習慣との関連を腸内細菌叢の多様性という観点から検討し、腸内環境改善を目的とした食育が腸内細菌叢の多様性を高めることができるかどうかを明らかにすることを目的としている。2023年度は、Qiime2による菌叢解析により腸内細菌叢の多様性について分析を行い、食事との関連を検討した。また、論文投稿に向けて準備を行った。第1回調査(2018年7月)として、奈良県のA幼稚園およびB幼稚園の4-5歳児および保護者のうち研究参加への同意が得られた50組を対象として以下の①から⑤の調査を実施した。 ①腸内細菌叢解析(幼児対象)、②食事調査(幼児対象):3日間食事記録法、③食習慣調査(保護者対象):簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)、④自記式調査票によるアンケート調査(保護者対象)、⑤身体計測(幼児対象) 第1回調査実施後から、A幼稚園において随時、食育を実施した。第2回調査(2021年3月)として、第1回調査に参加していただいた方を対象に①から③の調査を実施した。 ①腸内細菌叢解析(幼児対象)、③食習慣調査(幼児対象):幼児のための簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ3y)、③食習慣調査(保護者対象):簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ) 食育を実施したA幼稚園と実施しなかったB幼稚園で腸内細菌叢の多様性に差はみられなかった。幼児の食習慣調査(BDHQ3y)のデータより、日本食インデックススコアを算出し、腸内細菌叢との関連を検討した。多様性指数に差はみられなかったが、日本食型食習慣の度合いが高い幼児は、Lachnospiracea科やRoseburia属などの酪酸産生菌において有意な増加が観察された(n=38, p<0.05)。幼児において日本食型食習慣が腸内細菌叢に影響を与えていることが示唆され、今後、さらなる検討を行っていきたい。
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