2019 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症改善を目的とした網羅的スクリーニングと効率的手法の開発
Project/Area Number |
18K13028
|
Research Institution | Nakamura Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
長光 博史 中村学園大学短期大学部, 食物栄養学科, 講師 (20333271)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 変形性関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(OA:Osteoarthritis)発症に伴う関節破壊プロセスには、コラーゲンを破壊するMMP(Matrix metalloproteinase)-13, プロテオグリカンを分解するADAMTS(a disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motifs)-5が重要な役割を果たすと考えられており、これらの発現を抑制する化合物の発見は、発症機構の解明や治療法の確立への応用が期待される。本研究では、食品由来成分より、これらの分子の発現を制御する因子の探索を目的とする。 本研究では、軟骨培養細胞を用い、MMP-13, ADAMTS-5の転写活性を抑制する候補化合物をスクリーニングする実験と、実験動物を用いた、OA発症モデルへおよぼす候補化合物の効果の評価を柱とする。スクリーニングする化合物は、食品成分を中心とすることで、食によるOA発症の抑制効果を通して、健康増進の可能性を探ることを目的とする。 転写活性の評価系として、MMP-13,ADAMTS-5のそれぞれのプロモータ領域と、レポーター遺伝子との融合体の構築を行った。培地へ添加した食品成分により、レポータ遺伝子の活性を指標に、MMP-13, ADAMTS-5の発現へ及ぼす化合物の効果を検討する。前年度では、軟骨培養細胞への導入が難しかったため、今年度は、エレクトロポレーション、リポフェクションで遺伝子導入の手法による比較を行い、効率の良い導入法を検討した。リポフェクションでの導入効率が高く、転写活性測定の準備が整った。 動物でのOA進行を評価するための関節炎症モデル作成のための条件は整ったものの、安定した関節切片作成ができず、作成法をさらに検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物での関節炎症モデルから、関節切片作成を試みているが、薄切に至るまでの条件検討が定まらず、やや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
培養細胞を用いた転写活性の測定では、構築したレポータ―遺伝子の活性を指標に化合物ライブラリから候補を探し出す予定である。動物を用いた切片作成では、まだ手法に難があるが、フィルムへ貼り付けたまま標本を切り出す手法を試みる。
|
Causes of Carryover |
OA発症モデルの評価系に必要な、関節の組織切片作成が安定して行えない状況である。このため、飼育を開始しても正しく評価することができないため、動物飼育の経費分を翌年度へ持ち越した。
|