2022 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症改善を目的とした網羅的スクリーニングと効率的手法の開発
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18K13028
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Research Institution | Nakamura Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
長光 博史 中村学園大学短期大学部, 食物栄養学科, 講師 (20333271)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 変形性関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(OA:Osteoarthritis)による関節破壊に対し、抑制効果のある食品成分の探索を最終的な目的とし、関連する遺伝子発現ならびに実験動物を用いた解析を行った。関節の破壊因子であるMMP-13,ADAMTS5の遺伝子発現を評価する系として、レポータ遺伝子の安定発現株の構築を行い、食品由来成分添加による発現の変動効果を測定した。検討した抗酸化成分からは有意な発現変動は見られなかったため、その他の食品成分に対象を広げる必要がある。また、評価する関節破壊因子を2遺伝子に限定していたため、網羅的な解析を行う意味で、次世代シーケンサーを用いた全RNAの発現変化を追う、トランスクリプトーム解析を検討する必要が考えられた。 動物を用いた解析では、モノヨード酢酸のマウスの片膝関節内投与によるOA誘導モデルを用いた。前年度は若年のマウスをOA誘導モデル動物としたが、今年度は加齢による影響を検討するため、1年飼育した老齢マウスで同様に解析を行った。評価項目としてPAM(Pressure Application Measurement)による関節炎の疼痛閾値、OA発症に伴う後肢の左右の重量配分変化、尿中の関節破壊マーカー、および関節切片の組織学的評価を行った。前年度の若年マウスでの結果と、老齢マウスで大きな違いは見られず、モノヨード酢酸によるOA発症モデルでは若年マウスで十分と思われる結果となった。今後、同モデル動物を用いたOA発症に、食品成分がどのように影響するか解析するための準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた抗酸化成分での効果に有意差が見られなかったことから、測定対象の成分を広げる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
OA進行を抑制する成分の探索では、抗酸化成分をさらに追加、あるいは抗酸化成分以外にも広げる余地がある。また、遺伝子発現変動の解析では、当初予定のMMP-13,ADAMTS5から追加もしくは、レポーター遺伝子による評価系の他に、次世代シーケンサーによる分析も検討すると想定していなかった遺伝子との関連が見いだされる可能性も考えられる。
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Causes of Carryover |
実験動物の系では、用いるマウスの週齢による影響などの条件決めで終わり、食品成分による効果を検証する段階に至らなかったため。
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