2018 Fiscal Year Research-status Report
非出荷用作物の流通が日本人の食生活に及ぼす影響:政府統計データを用いた自然実験
Project/Area Number |
18K13037
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
町田 大輔 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 助手 (10622251)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 非出荷用作物 / 食生活 / 政府統計 / 自然実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①非出荷用作物の生産量、栄養素量の算出、②地域レベルの非出荷用作物の生産量と食物消費量との関連の解明、③地域レベルの非出荷用作物の生産量と食物消費量との関連の因果関係の解明、を目的とする。非出荷用作物とは自家消費用および贈与用の作物である。 2018年度は、まず先行研究の全体像を把握するために文献レビューを行った。日本人を対象とした研究のシステマティックレビューおよび海外レビュー論文のレビューを行った。結果として、既存の報告では個人レベルの検討は行われているものの、本研究で目的としている地域レベルの影響は検討されていないことが明らかになった。また、既存のデータを利用し、作物生産と食品消費との関連に関する分析を行った。結果として、自家消費用野菜の栽培により野菜摂取量が増える理由や、市民農園または家庭菜園の利用および利用状況と食生活や健康との関連が明らかになった。これらは順次学会発表や論文として報告を進めており、2019年度にも引き続き公表を進める予定である。 以上と同時進行で、横断的検討を行うために必要な平成28年の作況調査、国民健康・栄養調査、家計調査データの利用申請を行った。しかし、当初用いる予定であった作況調査の廃棄量を差し引いた作物収穫量と家計調査の自家生産およびもらい物による食物入手量のデータの提供が不可能である旨の回答を得た。そこで、それらのデータを入手可能なデータに置き換えて用いることにした。分析対象作物は、豆・芋・野菜・果物類の一部とした。 今後、入手したデータを用いて以下の分析を行う予定である:①非出荷用作物の生産量、栄養素量の算出(a. 非出荷用作物の生産量:各作物の「収穫量-出荷量」で算出、b. 非出荷用作物の栄養素量:aの栄養素量を、栄養計算ソフトを用いて算出)、②地域レベルの非出荷用作物の生産量と個人レベルの総摂取量との関連の分析。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
利用予定であった政府統計データのうち、利用できないデータがあり、その対応に時間を要した。しかし、利用するデータの目途が立ち、申請が必要なデータも入手できたため、今後は問題なく進行できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度8月ごろまでに横断的な分析を終了し、縦断的な分析に用いるデータの利用申請および収集を行う。2020年度初頭にはすべての分析を終了し、研究成果の公表に取り掛かる予定である。
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Causes of Carryover |
政府統計データのうち、オーダーメイド集計を予定していたデータのオーダーメイド集計ができず、そこに用いる予定であった経費が次年度使用額となった。今後、データの収集のうち、外注できるものに関してはこの予算を用いて外注し、研究の効率化を図る予定である。
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