2020 Fiscal Year Annual Research Report
Historical Research on Public Halls in Postwar Japan
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18K13049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新藤 浩伸 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (70460269)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 文化会館 / 公共ホール / 社会教育 / 生涯学習 / 劇場 / 文化政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、当初予定していた各地の文化会館の訪問調査に関しては中止を余儀なくされた。 その代わり、寄託を受けていた各地の文化会館の資料の目録作成を進め、完了することができた。この目録は、散逸の危機が叫ばれている全国の文化会館に関する資料のアーカイブ整備に向けた基盤的な資料となる。現在、同資料をもとに、アーカイブ整備の準備を進めているところである。 また、文化会館だけでなく、公民館、図書館、博物館、その他集会施設も含めた教育文化施設の歴史や原理に関わる基本文献を収集し、検討を進めた。各施設は、今後、こうした教育文化施設の歴史と原理に関する基礎研究を引き続き進めていきたい。 以上のように、現地調査を基盤に据えた本研究の遂行は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることとなった。しかし、資料研究、文献研究に重点を切り替えて、今後の息の長い施設研究の基盤を形作ることができた。 成果の一方で、課題もみえてきた。最大の課題は、研究の基礎となる資料の扱いである。文化会館の設置運営に関する資料は、各会館、設計者、行政など、所有者がはっきり決められてはいない。また、公文書としての位置づけも弱く、散逸の危険が非常に高く、廃棄されてしまう例も多い。文化会館の歴史は、施設の歴史にとどまらず、施設が位置づく都市の歴史であり、社会の歴史でもある。文化会館に関する資料整備や保存公開の原則、仕組みの構築など、今後も調査研究を進めていきたい。
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Research Products
(6 results)